好調の「バーガーキング」社長インタビュー 28年末までに店舗数を3倍弱に増やす計画を語る
“バズる”広告の裏側
バーガーキングは広告の手法も独特だ。その独自のプロモーションがSNS上で“バズ”り、全国に認知を広げている。
たとえば19年12月、「下北沢店」が新規開店の準備を行っていた際、窓一面にTwitter上の画面をプリントした広告を掲示した。そのTwitter上の画面とは、消費者が投稿した「バーガーキング下北沢店作ってくれや」というツイートと、バーガーキング公式アカウントによる「作ってんで! オープン初日にお待ちしています。」というリプライを映したスクリーンショットだ。その広告を見つけたお客が写真を撮ってTwitterに投稿すると、「面白い」とたちまち話題になりさまざまなニュース媒体に取り上げられた。
「(当社は)広告予算は少ないが、知恵はある。まだ十分なブランド認知がない中、どうしたら少しでも多くの人にバーガーキングを知ってもらえるかを念頭に置き、効果的な広告アイデアを考えている」(野村氏)
Twitterで話題になった広告はもう一つある。20年1月、秋葉原店の近隣にあるマクドナルドの閉店に伴い、秋葉原店の店頭に掲げた垂れ幕だ。一見すると長年しのぎを削ったライバル会社に対して労いと感謝の気持ちを込めたメッセージに見えるのだが、その文章を縦読みすると「私たちの勝チ」と読める。
この広告について野村氏は「どう解釈するかはお客さま次第」とおどけた口調で話し、続けて「当社はTwitter上に流れる情報を日々観察している。誰かを傷つけかねない言葉は使わず、リスク管理をしっかりとした上で、広告に遊び心や面白さを加えていくことが大切だと考えている」と述べる。