連載「バイヤー必見!今行くべき専門店」 第3回 パンの提案が光る!飲食店

「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員 有木 真理
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食品スーパーのバイヤーにとって、商品開発のためのヒントとして外食のトレンドは必ず押さえておきたいところだ。そこでこの連載では、外食トレンドの“今”をよく知る「ホットペッパーグルメ外食総研」上席研究員の有木真理氏に、食品スーパーの提案に生かせる、巷でポピュラーになりつつあるメニューを提供している専門店を紹介してもらう。連載第3回の今回登場するのは、近年各食品スーパーが力を入れる、「インストアベーカリー」の商品開発のヒントにつながる飲食店だ。

食卓の“脇役”から“主役”へ

 日本におけるパンの歴史は、16世紀半ば、ポルトガルから鉄砲と一緒に種子島に上陸したのが始まりと言われています。しかし、日本でパンが日常的に食卓に並ぶようになったのは第二次世界大戦後と比較的近年のことです。今では、「ライスにしますか?それともパンにしますか?」と飲食店で聞かれ、パンは米飯と並ぶ主食として扱われるようになっています。それでも、これまでパンは食卓の“脇役”のイメージが強かったことは否めません。
 しかしここ最近、欧米の本格的なベーカリーに見た目も味も引けを取らない洗練された専門店や、食パン、コッペパン、クリームパンなどの一点に特化した専門店などが続々とオープン。連日行列をつくっており、空前の“パンブーム”が起きていると言えます。
 そんななか食品スーパーでもインストアベーカリーに力を入れる店が増えています。「生食パン」をはじめ専門店発の話題のパンを、自店でも開発し販売する動きも多くみられます。専門店の情報はすでに多くのメディアに登場しているため今回私からは、本来は料理が主役だけど、パンの存在も際立っているレストランをピックアップしました。

購入につながる店頭体験を提供!
カフェ併設のパン専門店「パンとエスプレッソと」(東京都渋谷区)

「パンとエスプレッソと 表参道」。 日常的に味わうイタリアのバールをコンセプトに12店舗を展開する
「パンとエスプレッソと 表参道」。 日常的に味わうイタリアのバールをコンセプトに12店舗を展開する

 昨今、多くの人気のベーカリーにはカフェが併設されているといっても過言ではありません。大きな理由の1つは、その場で焼きたて、つまりパンを最もおいしい状態で食べてもらうことができるからです。そして店頭でその味を体験してもらうことで、パンの購入につなげています。
 その代表的なお店の1つが「パンとエスプレッソと」。パンとコーヒーを日常的に味わうイタリアのバールをコンセプトに12店舗を展開しています。そんな同店の代表的商品が「柔らかい」という意味をもつ食パン「ムー」です。併設されたカフェではこの「ムー」を、厚切りのトーストやフレンチトーストで楽しむことができます。お店は、若い女性を中心にこの味を求めて来店するお客で早朝から賑わい、そして、この味を自宅でも味わいたいと帰りに自宅用にパンを購入して帰る女性が後を絶ちません。

同店の代表的商品「ムー」。併設されたカフェでは同商品を厚切りトーストやフレンチトーストで楽しむことができる
同店の代表的商品「ムー」。併設されたカフェでは同商品を厚切りトーストやフレンチトーストで楽しめる

「パンとエスプレッソと 表参道」
所在地   東京都渋谷区神宮前3-4-9
営業時間   8:00〜20:00
定休日    不定休

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