生協の課題は若い組合員の獲得 先行するパルシステムの取り組み

生協が長年の課題としているのが若い世代の組合員の獲得だ。そうしたなか関東を中心に1都12県で宅配事業を展開するパルシステム生活協同組合連合会(東京都/大信政一理事長:以下、パルシステム)は、早期から若年層の取り組みに注力してきた。生協ならではの強みを生かしたパルシステムの若年層へのアプローチ手法を取材した。
加入から注文まで完結!子育て層向けアプリが好調
2020年度のパルシステムの総事業高(営業収益に相当)は2573億円(対前年度比16.4%増)。新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で宅配ニーズが急増したことを受けて大きく伸長した。宅配事業の利用人数は同8.3%増、1人当たり受注金額も同9.8%増とともに伸びている。
パルシステムは、1990年代に生協組織として初めて個人宅配を本格的に事業として開始した。2001年には、ネット経由の注文システム「オンラインパル」を立ち上げ、早期からネット注文にも対応。15年にはネット注文においてクレジットカード決済を導入するなど、生協の常識に縛られず、時代の変化に応じた新しい施策を導入する組織として知られる。なお「オンラインパル」の登録率はカタログ配付組合員の約7割と全国的にも高い。
パルシステムの供給高(商品売上高に相当)は1都3県で全体の8割を占める。近年は、肥沃なマーケットを求めてEC企業やネットスーパーが攻勢を強める激戦区だ。こうしたなか早い時期から生協の課題である若年層の獲得に向けても対策を打ってきた。
その1つが、
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