米アマゾン、禁輸措置対象の中国企業から検温カメラ購入=関係筋

ロイター
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中国の浙江大華技術の検温カメラの画面
4月29日、米アマゾン・ドット・コムが新型コロナウイルス対策のため、米政府から禁輸措置を受けている中国の監視カメラ製造大手から体温測定カメラを購入していることが分かった。写真は中国の浙江大華技術の検温カメラの画面。24日撮影(2020年 ロイター/Lewis Surveillance)

[ニューヨーク/サンフランシスコ 29日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムが新型コロナウイルス対策のため、米政府から禁輸措置を受けている中国の監視カメラ製造大手から体温測定カメラを購入していることが分かった。事情に詳しい関係者3人がロイターに明らかにした。

アマゾンにカメラを供給した中国の浙江大華技術は、監視カメラ製造では世界最大手で、中国政府による新疆ウイグル自治区の少数民族などへの監視に荷担しているとして、昨年トランプ政権から禁輸措置を受けた。

ただ、この措置が禁じているのは米政府による調達や禁輸措置対象企業への輸出。民間企業への販売は規制しておらず、アマゾンによる浙江大華製品の購入に違法性はない。

関係者の1人によると、浙江大華が今月アマゾンに出荷したカメラは1500台で、金額は1000万ドル近い。別の関係者によると、アマゾンが米国内で利用している浙江大華のシステムは少なくとも500台に上る。

アマゾンが浙江大華から製品を調達した背景には、米国内で検温装置の供給が不足している実態がある。米食品医薬品局(FDA)は検温装置の不足を警告し、特定の感染症の大流行にあたっては、FDAの承認を受けていない体温測定カメラの利用を止めない方針を示した。

米国の体温測定カメラ製造大手フリアーシステムズは数週間分の受注残を抱え、病院など医療向けを最優先せざるを得なくなっている。

アマゾンは浙江大華製品の調達について確認を避けたが、使用している製品は連邦政府、州政府などの規制を満たしており、体温測定は従業員の健康や安全を守るのに寄与していると説明した。

浙江大華は顧客の情報は明かさないとした。

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