自動発注シェア1位のシノプス、総菜にも対応したAI活用のシステムとは

ダイヤモンド・チェーンストア編集部 (株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア)
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勝つDX

競争激化、人手不足など、食品スーパー(SM)を取り巻く環境は年々、厳しくなるばかりだ。そうした中で、省人化や在庫圧縮のために、自動発注システムを導入する企業が増えている。本稿では、自動発注システムの進化の歴史を見ていくとともに、SM業界で圧倒的なシェアを誇るシノプス(大阪府/南谷洋志社長)に聞いた、最先端の自動発注技術をレポートする。

ITの進化で精度が向上した自動発注システム

 人に代わり商品を自動的に発注する「自動発注システム」が誕生したのは約30年前。サプライチェーンマネジメント(SCM)の実現をめざし、米国の大手SM企業と家庭用品メーカーが共同開発したのが始まりだ。

 最先端事例への関心度の高い日本でも鳴り物入りで登場し、すぐに大手企業を中心に導入が進んだが、結果として普及しなかった。理由は、同システムが、商品が1つ売れたときに1つ仕入れる「セルワンバイワン方式」を採用していたためだ。

 日本のSMは、特売が多いほか、季節によって一部商品の販売量が大きく上下するという特徴がある。また、国土が狭く、島や橋が多いうえ、海岸線が入り組んでいるため、効率的なサプライチェーンを組みにくく、柔軟な商品仕入れが難しい。つまり単純な仕組みの同方式では、需要を予測して欠品を防ぐことが難しく、日本の流通にはマッチしなかった。

 しかし、ITの進化に伴って自動発注システムの精度は飛躍的に向上した。それに伴い、競争激化、人手不足など、経営環境が年々厳しくなるSM業界が抱える課題を解決できるようになってきた。そうした背景のもと、近年、自動発注システムを導入する企業が増えている。

 あらためて自動発注システムの歴史をみていきたい。 自動発注システムの第1世代は、前述のセルワンバイワン方式を採用したシステムで、使用できる業種は限られていた。第2世代は、在庫量が事前に決めた水準を下回ったときに一定量を発注する「発注点方式」。そこに「安全在庫」を取り入れたのが第3世代だ。需要変動の可能性がある品目については、一定の在庫を持つことで欠品を防ぐというものだった。

シノプス代表取締役社長の南谷洋志氏
シノプス代表取締役社長の南谷洋志氏

 この第3世代に、商品の需要をあらかじめ把握する「需要予測」を取り入れることで、実用性を飛躍的に高めたのが、各種自動発注システムの開発、販売を手掛けるシノプス(大阪府/南谷洋志社長)だ。

 「当社が、初めて需要予測機能を備えた小売業向け自動発注システム(第4世代)をリリースしたのは2006年3月。以来、小売業と向き合い、常に難しい課題を解決するためのチャレンジを続けてきた」。こう話すのはシノプスの南谷洋志社長だ。

賞味期限が短い総菜にも対応する「sinops-CLOUD」

 シノプスの

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