小売の店舗やアプリが広告媒体に!リテールメディア、収益化の手法と課題とは
メディアの価値を高めるためには……
食品小売業は、アマゾンやウォルマートのようにリテールメディアを新たな収益源とすることができるのだろうか。
国内の食品小売、とくに食品スーパーはナショナルチェーンが存在せず、リージョナルチェーンとローカルチェーンが各地に存在する、あまり寡占化されていない市場だ。それゆえ広告主からしてみれば、それらのチェーンを単独で見た場合、「広告枠」としての魅力は低く、そのぶん広告単価も低くなる。
そうしたチェーンが広告主に対してメディア価値を示し、広告収入を獲得していくためには、点在するリテールメディアを束ねる存在が前提となる。先述の広告代理店やデジタルプラットフォーマーらが提唱する「リテールメディア・ネットワーク」がその代表例で、実際に一定の成果も見られている。
もう1つ、重要な視点があるとすれば、それは「小売業が所有するメディアが、広告主にとって魅力的な広告枠になっているのか」という点だ。
リテールメディアを事業として展開していくなかでは、小売業は当然、広告収入を追求することになる。だが、闇雲に広告売上を追い求めては、広告主は期待する効果を得られず、ひいては顧客を満足させることも難しいだろう。
広告主にとって魅力的なリテールメディアとは、高い購買意欲を持ったお客が数多く集まる店舗、またはアプリ、あるいはネットスーパーだ。お客を惹きつける提案のある売場なのか、それとも利便性の高いアプリまたはECか、さまざまなアプローチがあるが、強い顧客接点をつくることが自社のメディア価値を高め、その結果として広告収入がついてくるというわけだ。
広告のノウハウ、またはテクノロジーに長けた外部企業の手を借りることも重要だが、リテールメディアを検討していくうえでは、「何をすれば自店のお客を満足させることができるのか」という小売業の原点に立ち返る必要がありそうだ。
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