リアル接客よりもお客は気軽!勃興するメタバース接客人材市場の可能性とは?
三井物産(東京都/堀健一社長)傘下でビジネスインキュベーションを推進するMoonCreative Lab(ムーンクリエイティブラボ)は2021年10月、メタバースや拡張テレワークを活用した新たな事業に取り組む企業と、新しい働き方を求める人材とのマッチングサービス「メタジョブ(! 以下、メタジョブ)」のベータ版をリリースした。1年以内の法人化をめざし、企業や学校らと連携して実証実験をすすめている。
実証実験の段階で約1500人の登録者
日本の生産年齢人口はピークとなった1995年時点の約8700万人から2040年には約5000万人まで減少し、従前の労働環境や働き方では人手不足が深刻化して経済が著しく収縮すると懸念されている。一方で、オンラインで仕事に従事するフリーランスは現在の250万人規模から今後さらに増加すると見込まれる。
メタジョブの代表を務める星野尚広氏は「仮想現実(VR)やアバター技術、メタバースを活用し、テレワークの領域を接客業などにも拡張できれば、居住地や時間的な制約、年齢、性別などにとらわれず、ありのままの自分で好きなときに好きな場所で働く機会を広く提供できる」と説く。たとえば、接客業の1%をオンライン化すれば、パート、アルバイトを含む広義のフリーランスで1000億円規模の市場創出が期待される。
そうした状況下、社内起業プロジェクトとして立ち上げられたのがメタジョブだ。22年3月現在、メタジョブの「募集中のお仕事」のページを見てみると、「VR空間内での案内スタッフ」「バーチャル空間に再現された百貨店での案内スタッフ」「アバター(CGキャラクター)を動かすオンライン接客」など、ほかの求人サイトでは見かけないユニークな求人情報が並ぶ。応募者はメタジョブにキャスト登録を済ませた後に運営スタッフと面談、気になる仕事に応募するというフローとなっている。
星野氏によれば、メタジョブでは実証実験段階にもかかわらず、登録者数がすでに約1500人にのぼるという。登録者の年齢層は20~70代と幅広く、うち20代、30代、40代がそれぞれ約3割を占めている。星野氏は「デジタルワークとギグワークとの組み合わせによってすき間時間を活用した働き方を実現でき、幅広い年齢層で潜在労働力を活用できるとみている」と手ごたえを語る。
バーチャルでしか実現できない価値を
メタバースは新たな技術トレンドとして注目を集め、エンターテインメント、イベント、教育、小売など、さまざまな分野にわたって広がりが過熱している。星野氏はメタバースを「一般ユーザーのみが集まる空間と、一般ユーザーに加えて接客や案内などに従事するスタッフがいる空間に大別される」と
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