無人決済1000店めざす!TOUCH TO GO阿久津智紀社長が語る「新しいコンビニの姿」とは

取材・文:若狭 靖代(ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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無人決済1000店舗実現への課題は?

 地方での展開についても意欲的だ。最低時給が上がり続ける一方、小売の売上自体はあまり変わらない現状に触れ、「今後も人件費が上がり続ければいずれ成り立たなくなる。都市部では、人件費抑制の面で無人決済が必要になる。一方で、地方ではそもそも働き手がいないという問題が深刻になっていく。理由は異なるが、都市部・地方ともに無人決済は求められている」(阿久津社長)。前述の川越西郵便S店でのエピソードのように、地方で無人決済が浸透するうえで、TTG-SENSEの利用しやすさは大きな武器になりそうだ。

 ファミリーマートとの協業については、「(ファミリーマートは)スピーディに店をつくるということについてはプロ。本業のビジネスは超一流に磨かれている一方で、ファミリーマートさんが内部で無人決済システムをつくろうとしたらとても難しいとも思う。だからこその業務提携」(阿久津社長)と語った。現在は、「24年度末までに無人決済1000店舗」の目標に向けてファミリーマートのノウハウも借りながら、短期でのシステム導入や効率的な教育など、スケールさせていくための仕組みづくりに取り組んでいるところだという。

 近い将来には新規上場もめざす。「4~5年の範囲では実現したい」と阿久津社長。将来の展望としては他にも、省人化をキーワードとして小売業以外への進出や、売場の科学的な分析や売場づくりの研究など、野望が尽きることはない。

 人口減・偏在化によって、労働人口の不足や市場の縮小が強く懸念される日本の小売業において、無人決済店舗は問題を解決する一打として注目が集まっている。その中心で活躍を続けるTTGが今後どう発展を見せるのか、期待が高まる。

TOUCH TO GO会社概要

本社所在地 東京都港区高輪2-21-42 TokyoYard Building 8階
代表者 阿久津智紀
事業内容 無人決済などの省人化システム及びサービスの企画、設計、開発、保守および販売
設立 2019年7月1日
従業員数 23人
売上実績 非公表
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