約3年ぶりの新規出店は葛飾区初出店の小型店!「 スーパーベルクスお花茶屋店」の売場を解説
弁当と寿司の存在感大!
総菜が青果と連動させるかたちで売場を展開する。店舗周辺は住宅街だが、中小企業の事務所や工場も多く、ランチ需要も見込めそうだ。そのため弁当には力を入れており、横6尺縦10尺の平台で299円、399円、499円の価格ラインで各種弁当を販売。調査日は、「ビーフカレー」「本格香味炒飯」(各299円)、「中華丼」「牛カルビ焼肉重」「バラエティ海苔弁当」「めぐみ鶏ジャンボチキンカツ弁当」(各399円)、「ロースとんかつ弁当」「銀鮭幕ノ内弁当」「本格チリソース鶏唐揚げ弁当」(499円)など14品目をラインナップ。開店からそれほど日数が経過していないにもかかわらず、ランチタイムは商品がよく動いており、ねらいは的中しているようだ。
入口から続く壁面12尺は寿司コーナーで、毎週火曜は「中巻寿司バイキング」(各99円)を実施。調査期間中は「こどもの日」の企画で、「手巻寿司10本」(1180円)、「賑わい手まり寿司セット」(799円)、「本鮪2貫入りにぎり寿司」(799円)なども販売していた。
フライ類、天ぷら、焼鶏は壁面30尺で、調査日は「コロッケ祭り」と題し、「カレーコロッケ」(1個50円)などを売り出していたほか、夕市で「国産手羽先タンドリーオープン巻き6本入」(389円)、焼鳥(各種1本100円)、ホールピザ(各599円)などを訴求していた平台冷蔵ケースは「和総菜」「サラダ」「麺」などを揃えており、これらは外注での対応となっていた。
総菜全体をみると、弁当と寿司の存在感が大きく、とくに弁当は強いこだわりを持って商品を製造し、売場でアピールしているように感じた。
サンベルクスは「八百屋」をルーツとする食品スーパーで、青果の「旬」の追求する姿勢は特筆すべきものがあり、どの店舗も青果は迫力のある売場となっている。とくに野菜はサンベルクスにとっての最重点商品であると見られ、売場では絶対的な存在感がある。
ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)をはじめ、青果店出身のスーパーマーケット企業は多く存在する。ただ、チェーンの規模が大きくなると加工食品や酒類、菓子などを重視するようになり、「バランス型」の売場となることが多い。バランス型を追求すると、生鮮の魅力が薄くなることが懸念されるが、サンベルクスは売上高1000億円が目前に迫った現在も青果の専門性を追求している。売上や利益を考えると、青果に次ぐ「第2の柱」が必要となるわけだが、お花茶屋店では総菜がその役割を果たしているようだ。
機能的な鮮魚と精肉
続く鮮魚は右壁面30尺でエビや切身、丸物、奥側壁面24尺で刺身やイクラ、その隣の12尺で明太子、干物などを販売。平台は2台で、前方では切身と冷凍魚」、後方ではマグロ、刺身用サク、うなぎなどを揃える。「冷凍魚」と立体的でコンパクトで買いやすい配置である。
調査日は「こどもの日」の催事企画で「寿司種セット2~3人前」(980円)、太平洋産地「めばちまぐろ(赤身上)刺身用」(100ḡ399円)、「韓国産活アワビ3個」(980円)などを提供。そのほか、丸物では「きんき」(980円)、「知多」(500円)、「メバル」(480円)など、切身では「海鮮盛り4点」(1000円)などを販売していた。
店舗奥側の精肉は正面壁面40尺で牛、豚、鶏、ひき肉、その隣の15尺で加工肉、平台2台でジャンボパック、加工肉、冷凍加工肉を販売する。毎月29日は「お肉の日」として、黒毛和牛の「肩ロース焼肉用」(100g499円)、「切り落とし」(100g399円)などを日替わりで産地を変えて提供する。輸入牛は「カナダ産アルバータービーフ」をベースに米国産の商品を揃える。豚肉は国産とカナダ産、米国産、メキシコ産、鶏肉は国産にブラジル産を絡ませた構成となっている。各コーナーの下段は大容量のジャンボパックを揃え、「若鶏手羽元」(100g49円)、「牛豚挽肉」(100g99円)など手頃な価格で販売。全体的に“派手さ”はないものの、値ごろが感じられる商品を豊富に揃えており、お客の反応も上々であるようだ。
後編では、日配、加工食品、酒類などの売場を解説する。
(店舗概要)
所在地 東京都葛飾区四つ木5-17-1
開店日 2023年4月1日
売場面積 約400坪(歩測)
営業時間 10:00~21:00(日曜日9:00)
電話番号 03-6657-6605
アクセス 京成本線「お花茶屋」駅より徒歩7分
駐車台数 40台
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