東京・世田谷にコスモス薬品が連続出店! 住宅街立地の小型店展開が意味することとは?

ダイヤモンド・チェーンストア編集部
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関東においても出店のメーンは500坪サイズの郊外店

コスモス薬品の主力フォーマットは500坪サイズの郊外店だ。関東エリアにおいても出店のメーンは郊外店となる見込み
コスモス薬品の主力フォーマットは500坪サイズの郊外店だ。関東エリアにおいても出店のメーンは郊外店となる見込み

 コスモス薬品は近年、関東地方を重点エリアの1つに位置付けている。「九州と比べて人口密度が高く、高所得者も多い関東は“肥沃の大地”。出店することで売上高も利益も上がる」(横山英昭社長)との考えからだ。

 しかし関東地方で最初に出店したのは東京都、それも23区内であった。194月に関東第1号店として「広尾駅店」(渋谷区)をオープン。間髪入れずに「中野サンモール店」(中野区)、「西葛西駅店」(江戸川区)の2店舗、同年11月には「歌舞伎町一丁目店」(同新宿区)をオープンしている。これらの店舗の売場面積はいずれも50100坪。郊外立地の同500坪前後の店舗を主力フォーマットとしてきたコスモス薬品だが、まずは”都市型小型店”の出店で関東進出を果たしたわけである。

 横山社長は「現状、関東地区の既存店は、インバウンド向けの“副業的”な店舗か、実験的な都市型店が中心だ」と205月期第2四半期決算発表の場で説明。同時に、「来期以降は“本業”として位置付ける郊外型店舗を、関東地区で2030店舗出店したい」(同)という計画も明らかにしていた。つまり、都市型店舗は実験の範疇であり、関東においても出店戦略のメーンとなるのは他のエリア同様に郊外型店舗になるというわけである。

 すでに茨城県内では52日に「龍ケ崎ニュータウン店」(龍ケ崎市)をオープン。今後「堀町店」(仮称・茨城県水戸市)、「せんげん台店」(同・埼玉県越谷市)、「竹ノ内店」(同・茨城県那珂市)などの出店も計画されている。いずれも500坪前後の売場面積を有し、横山社長の言葉を借りれば“本業”のフォーマットとなる見込みだ。その一方、東京都内では415日に前述の中野サンモール店を閉店しており、試行錯誤している様子がうかがえる。

23区内での最適フォーマット構築を実現できるか

上野毛店の外観。最寄駅から少し離れた住宅街の一角にある
上野毛店の外観。最寄駅から少し離れた住宅街の一角にある

 そうした流れからあらためて上野毛店を見てみよう。売場面積は東京23区内の店舗としては最大規模、立地についてもこれまでのような都心部の繁華街や駅前ではなく、最寄り駅から少し離れた住宅街。品揃えの面では食品の比重が高く、どちらかというと郊外店舗をコンパクトにした印象だ。23区内の店舗では西葛西駅店も同様に食品の品揃えが充実しているが、こちらは駅前立地かつ2層構造で食品と非食品の売場が明確に区分されており、販売形態は少々異なる。

 さらにコスモス薬品は5月に入ってから同じ世田谷区内に「祖師谷店」をオープンしている。最寄りの小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅から続く商店街に面した場所で、品揃えは上野毛店と同様、売場サイズも同等かそれ以上とみられる。

 奇しくも、都心から離れた世田谷区内の住宅街での連続出店となったわけだが、これはコスモス薬品が引き続き都市型小型店の運営実験を積極的に継続していることを意味する。さまざまな立地での検証を行いながら、最適なフォーマットの構築を図っているとみられる。将来的に東京23区内でも“コスモス旋風”が吹くことになるのか。引き続き出店動向に注目したいところだ。

<店舗情報>

ディスカウントドラッグコスモス上野毛店

住所:東京都世田谷区中町2-41-13

営業時間:10:00~21:00

アクセス:東急大井町線「上野毛」駅から徒歩約5分

ディスカウントドラッグコスモス祖師谷店

住所:東京都世田谷区祖師谷1-36-7

営業時間:9:00~21:00

アクセス:小田急小田原線「祖師ヶ谷大蔵」駅から徒歩約5分

 

 

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