[ストックホルム 17日 ロイター] – スウェーデン家具大手のイケアは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)と需要低迷で休業している欧州店舗の営業を5月に再開することを目指している。大半の店舗を所有するインカ・グループのジャスパー・ブローディン最高経営責任者(CEO)が明らかにした。
新型コロナの感染拡大でグループの売上高は前年同期比60%減少に見舞われている。主要市場の欧州の大半の店舗と北米の全店舗が3月から休業し、一方でアジアではほぼ全店舗が営業している。
その半面、ネット販売は前年同期比で倍増しており、全体の売上高の落ち込みを補っている。オンライン売上高は全体の約半分を占める。
ブローディン氏によると、ロックダウン(都市閉鎖)措置などで人々が家にいるため、事務家具、洗濯用バスケット、台所用品、料理器具などの売上高が伸びている。低価格帯の商品の需要が拡大しており、パンデミックの世界経済への影響を考えると、この傾向は続くと想定されることから、一部の製品については価格を引き下げるとともに、低価格帯の商品の品ぞろえを強化する計画だという。
同氏はまた、郊外の巨大店舗よりも、都市部で小規模な店舗の展開を加速したい意向を示した。
新型コロナが最初に発生した武漢の1店舗を除く全店舗の営業を3月に再開した中国では、売上高は既に前年同期の水準に回復しているという。武漢の店舗は数週間中に営業を再開する予定。
インカは世界で店舗とショールーム合わせて420カ所を運営している。北米店舗の営業再開の日程はまだ決まっていない。昨年度(2019年8月終了)の売上高は367億ユーロ(397億ドル)で、ネット販売は全体の11%を占めた。