成田芝山店レポート ベイシアがフォーマットづくりを進めるコンパクトスーパーセンターの革新点

2019/10/08 05:00
松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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ベイシアのコンパクトSuCの革新点とは!?

 ベイシアがフォーマットづくりを進めているコンパクトSuCの特徴は主に3つある。①標準サイズのSuCよりも売場面積を縮小し、効率よく食品と非食品を回遊できるようにしている点、②食品売場では、総菜部門の総菜のほか、生鮮3部門の素材を使った生鮮総菜を集約した「スーパーデリカテッセン」やバイオーダー式のカフェを併設したイートイン「Hana Cafe」など、最新の商品政策を導入している点、③非食品売場では、商品を絞り込み地域特性に合った品揃えを行っている点だ。

 今回の成田芝山店では、コンパクトSuC2店舗目の潮来店の取り組みをほぼ踏襲している。入口は1箇所にまとめて食品と非食品をワンウェイで買えるようにしている。また、食品と非食品の境目となる通路で展開するシーズン商品の売場では、安さを訴求するために大きめのプライスカードを導入したほか、その通路の突き当たりには非食品のプロモーションコーナーを設けた。お客の目を引き、非食品売場へと誘導する役割を持たせている。

食品売場と非食品売場を隔てる通路の突き当たりでは、非食品のプロモーションコーナーを設けた。取材時にはスポーツブランドの靴下が並んでいた
食品売場と非食品売場を隔てる通路の突き当たりでは、非食品のプロモーションコーナーを設けた。取材時にはスポーツブランドの靴下が並んでいた

 また、食品と非食品の売場面積比をほぼ11にしている点も潮来店と同様だ。この点については、成田芝山店だけではなくコンパクトSuC1店舗目である勝浦店にも波及させている。もともと勝浦店はコンパクトさを重視するあまり非食品の売場を縮小しすぎており、「住関連品など必要なものまで削ってしまっていた」(広報担当者)という。改装により非食品売場を拡大したことで、勝浦店の売上はアップしているとのことだ。

 3店舗の売場面積や構成が統一されつつあることから、コンパクトSuCのフォーマットづくりは完成に向かっているといえるだろう。今後ベイシアはコンパクトSuCの適正な売場面積を5000~6600m2程度とし、売場を微調整しながら出店を進めていく考えだ。フォーマットを固めつつ、地域特性に合った品揃えや新商品の積極的な投入を行うコンパクトSuCは、ベイシアの新たな主力業態になりそうだ。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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