SDGs対応の新機軸!サミットストア世田谷船橋店の売場づくり、機能を徹底解説!

取材・文:大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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サミットストア世田谷船橋店

サミットストア世田谷船橋店

〒156-0055 東京都世田谷区船橋6-27-21
電話:03-5316-1075
京王線「上北沢」駅より徒歩約20分

サミット(東京都/服部哲也社長)は4月6日、東京都世田谷区に食品スーパー(SM)「サミットストア世田谷船橋店」(以下、世田谷船橋店)をオープンした。同社がドミナントを形成するエリアへの出店で、現在進める中期経営計画の方針を体現する店づくりを実践。SM事業を通じて社会貢献も同時に果たすことで、地域で必要とされる店をめざしている。

SDGsの5項目を店づくりに落とし込む

サミットストア世田谷船橋店 鷲尾宏二店長
鷲尾宏二店長
「サミットのGG2022を具現化する施策を盛り込んだ店。従業員の皆さんとコミュニケーションを図ることで、それらの施策を着実に実行していきます」

 世田谷船橋店は、京王線「上北沢」駅から南へ約1.5㎞にある。店舗から西へ約500mには環状八号線が南北に走り、クルマでのアクセスもよい立地だ。

 商圏に設定する、店舗から半径1.5㎞圏内には6万592世帯/11万7862人が居住する。商圏人口は増加傾向にあり、ファミリー世帯が多く生活するエリアだ。また店舗隣には、228戸が入るファミリー向けマンションが建設中で、2023年3月から入居が始まる予定だ。

 競合のSMとしては、半径1㎞圏内では「さえき希望ヶ丘食品館」(店舗から南東約500m)や「ヨークマート桜上水店」(同東へ約700m)があるくらいで、競合店は少ない。

 一方、自社店舗としては、世田谷区内ですでに17店を運営しており、厚いドミナントを形成するエリアへの出店だ。売場面積は約500坪で、広い売場をワンフロアで展開できる好条件の店舗と言える。こうしたなか世田谷船橋店について服部哲也社長は「サミットが近年実践してきた施策を詰め込み、中計の方針を体現する店づくりに挑戦した」と説明する。

 サミットは22年度を最終年度とする3カ年中計のテーマに「GO GREEN2022~社会に必要とされる新しいSMの創造~」(以下、GG2022)を掲げている。具体的には、ステークホルダーに「お客」「社員」「取引先」だけでなく「社会」を加え、単に食材を提供するにとどまらず、事業を通じて高齢化や環境保護などの地域社会の課題にも貢献し、SMの枠を超えた存在になることをめざすというものだ。

 また、このテーマのもとに店づくりのビジョンを「生きる糧(かて)を分かち合うお店」とした。「糧」とは、「食糧」や「食物」以外に「精神や生活の活力の源泉」などを指し、地域住民にとって心の支えにもなれる店を追求している。

 これらを実現するべく世田谷船橋店では、

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取材・文

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士