アイスクリーム市場、24年は全国的に高い気温、気候変動が市場を後押し
満足感を追求したハード食感商品が台頭
近年のアイスクリーム市場におけるトレンドのひとつとして注目されるのが、バキバキ、ザクザクとしたハード食感の商品。歯ごたえのあるチョコチップを混ぜ込んだものや、硬めのチョコレートやクッキーを配合した新食感のアイスクリームが続々と登場している。
フタバ食品の「ダンディー」シリーズは、“バキザク食感”をコンセプトに開発されたモナカアイスで、まるでアイスとチョコ菓子を同時に楽しんでいるかのような食べごたえが特長。またロッテは5月に「バキバキクランキーアイスバー」を発売。分厚いチョコレートを包んだバニラアイスをモルトパフ入りのチョコレートでコーティングし、独自のバキバキとした食感を実現した。こうした独特の食感は、消費者に満足感を提供し、一定の支持を得ている。
一方で、インバウンド需要の拡大を背景に、抹茶フレーバーの商品も活性化している。明治は、京都宇治総本家「辻利」の抹茶を使用した「辻利お濃い抹茶チョコレート&クランチ」を4月にコンビニエンスストア限定で発売。抹茶の使用量を増やし、旨味や苦味、濃さを追求した仕様となっている。
また井村屋は季節限定商品「やわもちアイス抹茶氷」をリニューアル。宇治抹茶の配合率を高め、より抹茶の風味を際立たせた。
さらにロッテの「クーリッシュ」ブランドからは、約12年ぶりに抹茶フレーバー「クーリッシュ 香る抹茶ラテ」を発売。2種類の石臼挽き抹茶をオリジナルでブレンドし、まろやかでやさしい後味に仕上げた。
加えて、マンゴーや杏仁豆腐、ライチといったアジアンテイストのフレーバーも市場に登場し、さまざまなニーズに応えている。
近年ではアイスクリームは夏場に限らず、“冬アイス”としての需要も定着しつつあり、年間を通じて楽しめるスイーツとして市場の成長が続いている。






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