25年7月1日号 決算2025ランキング
毎年恒例の決算ランキング特集の時期がやってきました。
上場小売業の2024年度決算は、インフレ下で価格転嫁が順調に進んだことに加え、一部の業態ではインバウンド消費が復活し、各社の業績はおおむね好調に推移しました。ただ、原材料価格や水道光熱費の高騰、賃上げに伴う人件費の上昇などコスト増の影響は深刻で、企業間格差はこれまで以上に拡大しつつあります。
全体的には増収基調の中、「勝ち組」と「負け組」はどう分かれたのか──。業態別・テーマ別に深掘りして解説します。小売業界が大きな変化のうねりの中にあるなか、必読の内容です。
編集後記
2009年に34歳で世を去ったSF作家・伊藤計劃さんが、24年10月で生誕50周年を迎えました。
彼の作品はどれも素晴らしいものばかりですが、なかでも代表作でありデビュー作でもある『虐殺器官』は、何度も読み返した思い出の作品です。
世界各地で起きる紛争の背後で暗躍する、謎の男「ジョン・ポール」。アメリカ軍特殊部隊に属する主人公はジョンを追っていくうちに、「正義」や「自由」とは何なのかという問いに直面します。
この『虐殺器官』を含んだ代表作3作品は、生誕50周年を記念した新装版もありますので、この機会にぜひ読んでみては。
6月15日号にて「アメリカ小売業」特集を担当させていただきました。記事の中で米国小売業各社が抱える課題が複数出てきますが、一般消費者の目にも明らかなのは政権と業界の軋轢です。
両者の不和は顕著になり、6月13日にトランプ米政権への抗議デモを呼びかける全面広告が米紙ニューヨーク・タイムズに掲載されるまでになりました。広告スポンサーはウォルマート創業家のクリスティ・ウォルトン氏。この広告はトランプ氏を名指しで非難こそしていないものの、王冠をかぶった自身のイメージをSNS上にアップした同氏を揶揄しているのは明
らかでした。そのため彼の支持者が不買運動を起こすなど、事態が大きくなっています。まだまだ政治欄から目が離せない状況は続きそうです。