ヘルシー時代の小売重要キーワード「スナッキフィケーション」「ソバーキュリアス」とは何か

文:松岡 由希子 (フリーランスライター)
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スナッキフィケーション
SNACKIFICATION

 スナッキフィケーションとは、1日3回の食事に代えて、スナック(軽食)を一日中こまめに摂る食事スタイルだ。

 フレキシブルで簡便で、食事の時短につながることから、多忙な現代の消費者に徐々に広がってきた。

 米国、英国、フランス、ドイツ、豪州など12カ国3683人を対象に2023年秋に実施した米食品大手モンデリーズ(Mondeléz)のアンケート調査では、約6割が「1日2~3回の大きな食事よりも、1日を通して少量の食事を摂ることを好む」と回答している。

 また、米市場調査会社サカーナ(Circana)の調査によると、米国消費者の食事におけるスナックの出現率は10年時点の29%から24年に37%へ上昇した。ほぼすべての年代で朝食に食べるスナックの量が増加。従来の昼食の代替またはその一部としてスナックを食べる習慣もこの10年で浸透している。

 スナッキフィケーションの広がりに伴って、従来の食事の代替となりうる栄養バランスのよいスナックへの需要も高まっている。

 食品大手では、必要な栄養素を手軽に摂取できる健康軸のスナックを拡充。

 米ケロッグ(Kellogg’s)が22年6月に発売したプロテインバー「Special K・Protein Snack Bar(スペシャルK・プロテインスナックバー)」や、米ゼネラル・ミルズ(General Mills)のプロテイン入りシリアル「GHOST(ゴースト)」などがその例だ。

シリアル「GHOST」
ゼネラル・ミルズのプロテイン入りシリアル「GHOST」

 新興の食品メーカーも健康軸で付加価値を訴求する商品を積極的に開発している。たとえば、

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松岡 由希子 / フリーランスライター

米国MBA 取得後、スタートアップの支援や経営戦略の立案などの実務経験を経て、2008年、ジャーナリストに転身。食を取り巻く技術革新や次世代ビジネスの動向をグローバルな視点で追う。

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