即席麺市場、秋冬の需要期に向けて各社からこだわりの新商品が続々登場
話題の新商品の投入で即席カップ麺は回復傾向
KSP-POSデータの即席カップ麺の期間通算の金額PIは、1万8989円で対前年同期比2.5%増、数量PIは139.15で同3.2%減。カップ麺も袋麺同様に価格改定の影響で数量PIでは前年割れ、金額PIでは微増となった。6月以降は数量PIでも上回り、回復傾向にあるようだ。
ロングセラーブランドを筆頭に定番商品が根強い人気の即席カップ麺。リーディングブランドの「カップヌードル」は、昨年9月に発売した「特上 カップヌードル」が好評で、今年9月にはその第2弾として同4品を新発売。「特製松茸風味オイル」や「特製トリュフ&バターオイル」などを加えて仕上げる商品で、ワンランク上のスープと具材が味わえる。
東洋水産の「MARUCHAN QTTA」はこの秋にリニューアル。パッケージデザインには、ブランドキャラクターの「クッタくん」のイラストを加え、愛着や親しみが持てるパッケージに変更した。また、〈シーフード味〉は、具材として新たにキャベツを採用し、具材感をアップした。
明星食品では、1984年に発売した「明星 青春という名のラーメン」を新たに令和版として新発売。当時のパッケージの印象は残しつつ、新開発の具材や麺を採用した。
ご当地商品など高付加価値の丼タイプが好調
即席カップ麺の中でも高付加価値の丼タイプが好調で、有名店とのコラボ商品やご当地の味わいを商品化したものなどが発売されている。明星食品の「明星麺神」ではこの秋、初となる丼タイプのカップ麺を新発売。ご当地ラーメンとして確立している横浜家系ラーメンと京都鶏白湯を商品化した。麺・スープ・具材すべてにこだわった味わいとなっている。
ヤマダイの「ニュータッチ 凄麺」のご当地シリーズは自宅にいながら手軽に本格的な味のご当地ラーメンが楽しめると好評のブランドで、今年秋にはシリーズ28品目の〈茨城けんちんそば〉を新発売した。
日清食品の「日清のどん兵衛」は、今年9月に麺・つゆ・具材・七味のすべてを東日本と西日本で分けた“ぜんぶ東西分け”を実現。テレビCMなどで訴求し好調に推移している。
10月からは東と西のきつねうどんと天ぷらそばの4品に加え、「博多」と「信州」を加えた6品を「利きどん兵衛」として期間限定で発売。食べ比べしたくなる商品の投入で、買上点数アップを図っていく。丼タイプのカップ麺は、今後も需要拡大が期待されている。