競争激化!冷凍食品売場で差別化するための3つの手法とMDを徹底解説!
需要が拡大する注目カテゴリーである冷凍食品。コロナ禍を経て新たな消費傾向が見られるほか、メーカーや商品数の増加といった外部環境の変化もあり、現場のバイヤーに求められることは、変化、高度化している。こうしたなか冷凍食品提案で商機をつかむために重要なことは何か、解説する。
若年層、単身世帯で利用頻度が向上
アイスコ(神奈川県/相原貴久社長)は、関東・東海エリアを中心に、ドラッグストア(DgS)や食品スーパー(SM)などの小売店へ、冷凍食品、アイスクリーム類を供給する冷凍食品専門の卸売企業だ。また、SM「スーパー生鮮館TAIGA」7店舗と冷凍食品専門店「FROZEN JOE’S」1店舗を自社で展開している。卸・小売の双方の事業を展開する当社からみた、食品小売企業の冷凍食品の利用動向、今後めざすべき売場づくりの方向性について解説したい。
日本の冷凍食品の国内消費量は2021年に290万4746トンとこれまでの最大量を記録した(日本冷凍食品協会調べ)。10年以降、増加傾向にあった消費量がコロナ禍を機に急増し、メーカーの供給がかなりひっ迫する商品も出てきているほどだ。
なかでも売上が伸長しているのが、ギョウザや唐揚げなどの総菜、うどんなどの麺類、冷凍野菜などだ。総菜については、単身世帯の増加もあり、個食商品が伸びている。冷凍野菜は、農作物の値が高騰したときに購入され、一度食した消費者がその価格と品質に納得しリピート購入する流れが生まれている。結果、冷凍食品の全カテゴリーの中で最もリピート購入率が高いのが冷凍野菜だといわれている。
一方、これまで冷凍食品部門の主軸だった弁当用商材の売上は減少傾向にある。新型コロナ感染の状況が落ち着いたことから、前年と比べれば増加しているものの、ニチレイフーズ(東京都)の「特から®」をはじめ、大容量でお得な商品を弁当のおかずに利用する人が増えていることもあり、従来のような主力商品に戻るとは考えにくい。
コロナ禍によって冷凍食品の食シーンにも変化が起こっている。保存性の高さや利便性、コストパフォーマンスのよさから、昼食や夕食での利用が増えているのだ。とくに若年の単身世帯や共働き世帯での利用頻度が高まっている。日本冷凍食品協会が22年2月に実施した「“冷凍食品の利用状況”実態調査」によると男女ともに冷凍食品を「ほぼ毎日」利用すると回答したのは「25~34歳」が最も多かった(男性13.6%・女性15.2%)。
成長が期待される3つのカテゴリー
こうした冷凍食品の需要拡大に伴い、
店長必読!売場づくりと販促の教科書 の新着記事
-
2024/11/08
基本を徹底しつつ健康を意識した売場づくりで差別化を図る! -
2024/11/08
専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは -
2024/10/01
拡大続く冷食 ミールソリューションの観点からMDを構築する方法とは -
2024/10/01
トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は? -
2024/09/03
2024年冬の総菜MD、イベントの与件変化を丁寧にとらえ、暖冬想定と節約対応を強化 -
2024/09/03
鮮魚部門2024年冬の月別儲かるMD提案!年末商戦のポイントは?
この連載の一覧はこちら [121記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-08怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
- 2024-11-07「Foods Park」の17店舗目はイオンの跡地に居抜きで出店!
- 2024-11-18レシートは語る第15回 まもなく関西進出のオーケー、データでわかる競争力と成功のカギ
- 2024-11-0633億円めざすマミーマート、生鮮市場TOPセキチュー上尾店徹底解説
- 2024-11-12価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化
- 2024-11-08専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
- 2024-11-08店舗網とM&Aの歴史が丸わかり!最新ロピア勢力図MAP!
- 2024-11-18既存店の数字が良い企業は実践!競合スーパーが進出しても影響を受けない方法
- 2024-10-25物言う株主時代に脚光!宅配以外もスゴい「生協」の事業モデルとは
- 2024-11-13繁盛店は80億円!ロピア、強烈な販売力支える「100%現場主義」の正体とは
関連キーワードの記事を探す
週刊スーパーマーケットニュース アオキスーパー、「レジ専用イス」を全店に設置が完了
冷食、京都MD強化 イオンスタイル伏見桃山の売場づくりを解説
子育て世代をターゲットにするヤオコー川口SKIPシティ店の最新MDを徹底解説
専門家がヤオコー久喜吉羽店を徹底分析!斬新な鮮魚改革と意外な課題とは
2024年冬の青果は相場安定へ、儲かる売場づくりを徹底解説!