豆腐市場、栄養的価値で再注目、メニュー提案で若年層へアプローチを
食の洋風化などに伴いダウントレンドにあった豆腐だが、近年は高たんぱく、低糖質といった栄養的価値により、健康食材として再び注目されている。今後も需要を拡大していくには、さまざまなメニュー提案により食卓での喫食率を上げる取り組みが求められる。
健康志向の高まりを受け、ユーザー層に広がり
KSP-POSデータによると、2022年4月から23年3月の豆腐カテゴリーの期間通算金額PIは、対前年同期比3.4%増の1万2996円、数量PIは同0.3%減の132.63となった。
月別の金額PIの動向をみるとすべての月で前年を上回っており、原材料価格等の高騰による値上げの影響を受け前年を割り込むカテゴリーが多いなか、好調な様子が見て取れる【図表】。
豆腐は絹ごし豆腐、木綿豆腐といった代表的なものに加え、なめらかな食感の充填豆腐やおぼろ豆腐、焼き豆腐、たまご豆腐、胡麻豆腐といった加工品に至るまでアイテムも幅広い。
サイズについても300~400gの定番サイズのほか、食べきりサイズの2~3個パック、切らずにそのまま使える6~8個の小分けタイプなどバラエティーに富み、品揃えも充実している。
豆腐は日本人にとって非常に身近な食材であり年間を通じて一定の需要はあるが、気温が高くなり冷奴の喫食率が上がる6月から9月、湯豆腐や鍋料理の喫食率が上がる1月がゆるやかな山場となっている。
豆腐は食の多様化・洋風化などを背景に長らくダウントレンドにあったが、新型コロナウイルスの流行以降、健康志向の高まりから、低糖質かつ高たんぱくの食材として再び注目され始め、需要が拡大している。
また昨今のプラントベースフードへの関心の高まりもあり、バータイプやスイーツなど豆腐を使った新たな商品も出てきている。