冷凍食品市場、コロナ禍以降好調に推移、弁当や菓子など新たなサブカテゴリーも
在宅勤務のランチやおやつ需要を取り込む
前述したように冷凍食品はさまざまなアイテムを有しているが、昨年とくに好調だったサブカテゴリーを見てみよう【図表】。
ワンプレートで食事が完結する冷凍弁当は、今注目のサブカテゴリーだ。なかでもニップンの「よくばりプレート」や「よくばり御膳」、個食米飯シリーズ「いまどきごはん」は好調に推移。ニッスイもご飯とおかずがセットになったワンプレートメニューの家庭用冷凍食品「まんぞくプレート ふっくらごはんとデミグラスハンバーグ」「同 ふっくらごはんと豚肉生姜焼き」を昨秋に投入している。
中華麺というとこれまではチルド帯が中心だったが、近年は冷凍タイプの中華麺も登場している。ニチレイフーズでは電子レンジ調理対応の「冷やし中華」が半年で200万食を突破し、新たな市場を創造。ケンミン食品の「冷凍ケンミン焼ビーフン190g」は厚さ1.5㎝の極薄パッケージで買い置きに適している点や低カロリーの商品設計が健康志向のリモートワーカーからの支持を得た。
デザート系冷凍食品も好調に推移する。日清製粉ウェルナの「Smart Table ミニチュロス」はトースターで簡単に調理できるミニサイズのチュロス。朝食や食後のスイーツ、在宅勤務時などに手軽に楽しめ、今春には新アイテムのいちごクリームソース入りを追加する。
簡便性や即食性に優れた冷凍食品は、新しい生活様式にマッチした商品であり、売場の拡張を検討する価値は大いにある。とはいえ、これまでにないカテゴリーの商品も多く出てきていることから、サブカテゴリーごとにケースや棚の段を分けるなど、見せ方や視認性を高める工夫も重要になってきそうだ。