エシカル消費をけん引する生協 3年で倍増、2000億円規模へと成長の原動力とは
日本生活協同組合連合会(東京都/土屋敏夫代表理事会長:以下、日本生協連)は、全国の会員生協向けに、プライベートブランド(PB)「コープ商品」の開発・供給を行っている。戦後間もない頃から組合員の声を反映し、健康や環境に配慮した商品を開発し続けてきた。昨今では、「持続可能性」への意識が世界的に高まるなか「エシカル」対応商品の開発に力を注ぎ、供給高を伸ばしている。
社会課題の解決をテーマに60年代から商品を開発
日本生協連が開発・供給するPB「コープ商品」は、生鮮、デイリー商品、加工食品、飲料・菓子、冷凍食品、米、酒類、日用品、化粧品と幅広いカテゴリーで展開され、現在その数は約5400品目に上る。
新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大で内食需要が拡大するなか、コープ商品の供給高(商品売上高に相当)も大きく伸長している。2020年度は対前年度比15%増の4674億円。21年度4月~6月は前年度の反動で同3.6%減となったが、19年度比では12.2%増と高水準となっている。なかでも冷凍食品や菓子、飲料などが好調だ。
コープ商品の商品政策について、日本生協連商品事業担当の山田英孝常務理事は「コープ商品の役割は、『組合員の暮らし』『社会課題の解決』の大きく2つに貢献すること。安全・安心な商品を適正価格で提供するだけでなく、環境や社会にも配慮した商品の提供にも取り組んでいる」と説明する。
近年、企業の社会的責任に対する重要性が高まっている。それに対して生協は戦後間もない頃から社会課題の解決をテーマにコープ商品を開発してきた。たとえば1960年代には河川の汚染が社会問題になっていたことから、合成洗剤よりも生分解性の高い成分を使用した衣料用洗剤を発売。90年代には当時、飲料缶はタブを引っ張って取り外すタイプだったが、ポイ捨てによるゴミ問題が生じていたことを受けて、日本で初めてタブが缶から離れない「ステイオンタブ」缶飲料を発売している。
複数にわたる認証商品を1つのシリーズに統合
このよう社会課題の解決に貢献してきたコープ商品が、近年とくに注力しているのが、
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