日本酒市場は家庭内での飲用シーンが増え拡大中!ライトユーザーも増加中

石山 真紀(フリーライター・売場研究家)
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日本酒カテゴリーの金額PI月別推移

 日本酒カテゴリーは長年、中高年のヘビーユーザーがけん引してきた市場だが、家飲み需要が拡大したことで、仕事帰りに居酒屋に寄っていた30~50代など、比較的若い世代も家庭用の日本酒に挑戦し始めている。

 日本酒メーカー各社はライトユーザー向けとしてフルーティーな微発泡タイプやカクテルタイプ、飲みきりサイズのボトル缶など、エントリーしやすい商品を次々と開発。さらに純米大吟醸や山田錦使用など、日常のハレの日を楽しむ付加価値型の商品もよく動くようになってきている。

 また既存の日本酒ユーザーについても、コロナ禍以降は買物の回数を減らす、車での来店が増えるといった購買行動の変化から、大容量品の動きも活発化している。

トライアルを促進するシーン提案を実施

 日本酒は長年、中高年の男性が支えてきたカテゴリーであり、日本酒メーカー各社の基幹ブランドは、それぞれ多くのロイヤルユーザーがついている。

 コロナ禍においては、値ごろ感のあるパック酒カテゴリーの中でもワンランク上の商品を選ぶ傾向がより強まっており、さらに健康意識の高まりから糖質オフやプリン体ゼロといった健康志向の日本酒を選ぶユーザーも増えてきている。

 ワクチンの接種が進む一方、新たな変異株なども発生しており、新型コロナウイルス感染拡大防止のための自粛は当面続くとみられる。家で過ごす時間が長くなっていることからリラックスタイムに気軽に楽しめる日本酒のシーン提案をすることも有効だろう。

 トライアルの獲得に向け手に取りやすい飲みきりサイズの品揃えを強化する一方、日本酒の選び方や和食にとらわれない料理とのマリアージュなど、家庭での日本酒の楽しみ方を訴求することで、日本酒のファンづくりにつなげていきたい。

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