カテゴリーフォーカス:カレー、ルウカレー、レトルトカレーともに新型コロナウイルス影響下で需要拡大

ライター 石山 真紀
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ハウス食品:カレーの食卓出現率上昇ルウカレーで新ブランド2品を投入

カレーカテゴリーを牽引するハウス食品では、2人暮らしの夫婦にちょうどよいペーストタイプのルウカレー「ソテーカレー」、ひき肉と玉ねぎで簡単につくれて、家族みんなでプチごちそうが楽しめる「ごちレピライス」の2ブランドを投入。レトルトでは「咖屋カレー」の小容量タイプ(4袋入り)を発売し、新たな価値を提案している。

フライパン一つで調理簡便・時短の2ブランド

ハウス食品のカレー商品

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けてハウス食品の「バーモントカレー」、「こくまろカレー」、「ジャワカレー」に代表されるルウカレーが好調に推移している。外出自粛や学校休校の期間もあり、家族で食べられる定番メニューのカレーライスは食卓出現率が増加。家で手間ひまかけてつくる機会が増えたことから、カレーにひと手間を加える調味料シリーズ「カレーパートナー」も好調だという。

 2020年2月、同社は新商品として夫婦2人暮らしサイズの「ソテーカレー」を発売した。同品は肉や野菜、果実の旨みとともに華やかなスパイスの香りが凝縮された溶けやすいペーストタイプのルウ。炒めた具材にルウと水を加えてフライパンでひと煮立ちさせるだけで、野菜のおいしさや食感を楽しめるカレーを簡単につくることができる。

 もう一つの新ブランドは、手軽なのにつくりがいのある“プチごちそうレシピ”をコンセプトとした「ごちレピライス」。同品は家庭の常備食材であるひき肉と玉ねぎをフライパンで炒め、さっと煮込むだけでできあがるルウタイプのメニュー調味料だ。料理サイトでも人気の高い「キーマカレー」と「タコライスソース」の2種類を展開し、どちらも好調に推移している。

 ハウス食品では5月より食品ロスの削減のため、“もっとカレーだからできることプロジェクト”を立ち上げた。同企画では家庭で期限が近づいた食材や日頃だと捨ててしまいがちな食材を消費するための解決策の一つとしてカレーづくりを提案しており、専用のホームページも開設されている。

 また販促企画として、サントリービールの「金麦」とコラボレーションした共同マイレージキャンペーンも展開。「ジャワカレー」「こくまろカレー」と「金麦」ブランドを対象に、点数を集めると「あいあいカレー皿」がもらえるという内容となっており、「金麦」に合うオリジナルのカレーレシピも、キャンペーンサイト内で紹介されている。

アレンジレシピで楽しむ「プロ クオリティ」が好調

 レトルトカレーは、新型コロナウイルス感染拡大を受け、家庭内でのストックが増えているカテゴリーの一つ。たとえば人気の店の味わいを再現した付加価値型のレトルトカレー「選ばれし人気店」シリーズは6アイテムを展開しているが、20・30代の比較的若い層も手に取っており、ブランド内の買い回りも増えているという。

 好調の「プロ クオリティ」は、しっかり煮込んだ牛肉・玉ねぎ・トマトの煮溶けた旨みと甘み、デミグラスソースのようなコク深く濃厚なソースが特徴の幅広い年代に支持されるブランド。4袋入りのため、単身者だけでなく家族でも楽しめ、最近では総菜売場で購入したとんかつを載せたカツカレーをはじめ、きのこなどのトッピングでアレンジする消費者も増えているという。同社のホームページでは「プロ クオリティ」を使用したメニュー提案も行っている。

 レトルトカレーの定番ブランド「咖屋カレー」では、新商品として2月に「咖屋カレー小盛サイズ4袋入り」を発売した。いつもより少ない量を食べたい時に加え、2袋以上温めて大盛にして食べるなど、適量ニーズにあわせて手軽に楽しむことができる。

 ハウス食品ではルウカレー、レトルトカレーともに多様化するニーズに応え、カレーの喫食頻度向上をめざしたいとしている。

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