カテゴリーフォーカス:カレー、ルウカレー、レトルトカレーともに新型コロナウイルス影響下で需要拡大
外出自粛の影響でまとめ買いも増加
一方、レトルトカレーカテゴリーの19年7月から20年6月の金額PIは対前年同期比10.5%増の4231円、数量PIは同7.4%増の24.45となった(図表❷)。世帯人数の減少や個食対応を背景に、伸長し続けている同カテゴリーだが、月別の推移を見てみると新型コロナウイルスの影響はルウカレー以上に大きく、2月は同18%増、3月、4月は同40%以上の大幅な伸長となっている。
バラエティ感のある品揃えができるのは、レトルトカレーの特徴だ。とくに今期は新型コロナウイルスの影響により外出を控える生活様式がしばらく続いたこともあり、レトルトカレーをまとめ買いしたり、食べ比べをしてみようという層が増えたことも需要の拡大につながっている。
また、3~4袋入りの徳用商品が主通路沿いでアウト展開されるのも定番となった。とくにハウス食品の「プロ クオリティ」シリーズでは、総菜売場で購入したとんかつを載せてカツカレーにするといったシーンの提案により新たな顧客を獲得している。レトルトカレーの代表格である「咖喱屋カレー」では、新商品として2月に「咖喱屋カレー小盛サイズ4袋入り」を発売。小腹が空いた時なら1袋、大盛りで食べたい時は2袋など、食べる量を調整しやすい点がポイントとなっている。
カレーは国民食と呼ばれるほど日本人の食生活に欠かせないメニューであり、ルウカレー、レトルトカレー、それぞれに特性がある。近年は少子高齢化や有職女性の増加に伴い、調理時間のかからないレトルトカレーで済ませる生活者が増えている。そのためルウカレーを使って煮込み料理をする家庭が減ってきており、それが同カテゴリーのマーケットに影響を及ぼしているといわれている。しかしルウカレーは材料となる野菜や肉類など生鮮品との相性もよく、買上点数の向上につながる商材として食品スーパーには欠かせない。今回の新型コロナウイルスの影響により内食回帰も起きており、家族みんなで楽しめるルウカレーの価値を改めて伝えることも必要だろう。
店頭でもレシピ紹介や生鮮売場での関連販売など、生活者のヒントとなるプロモーションを仕掛け、カレーカテゴリー全体の活性化につなげていきたいところだ。
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