精肉市場創造2020:食提案のバリエーションが多様化 順調な成長続く
精肉売場 ケーススタディ
近年は基礎的な素材としての精肉や加工肉だけでなく、味付け肉やセット商品などの簡便訴求や、クロスMDによる食提案が精肉売場のトレンドとなっている。この1年にオープンした新店の売場づくりを紹介する。
基礎素材となるパック入りの精肉を着実に品揃えする一方、味付け肉などの簡便商品をコーナー展開する店舗が多い。
たとえば、「サミットストア上星川店」はレンジアップ商品をコーナー展開(写真1)。また都市型駅前立地の「ライフコモレ四谷店」ではミールキットを揃え多様な本格メニューを提案する(写真2)。
味付け肉は精肉部門の中でも重要な位置づけとなっており、多くの店舗がさまざまな商品を展開している。味噌漬けやカツレツなど、多様なトレー入りの調理済み肉総菜を揃えているのが「マルエツプラウドシティ吉祥寺店」(写真3)だ。「イトーヨーカドー食品館川越店」では、地場産のこだわり醤油を使用した味付け肉を訴求(写真4)する。
また「ヨークベニマル日立滑川店」では、アヒージョ用のチキンステーキなどを集約してアヒージョコーナーとして訴求している(写真5)。
また即食商品として人気の高いローストビーフ・ポークなどは、専用コーナーで展開する例が多い。「ヤオコー東久留米滝山店」では、オードブルコーナーを平台に設け、セット商品を提案。関連調味料などをクロス展開する(写真6)。
ノントレータイプの商品は広く普及しているが、「フードスクエアカスミ三芳店」では、ノントレー商品をコーナー展開し、棚帯などで環境への配慮を訴求する(写真7)。
このほか、「オーケー吉祥寺店」では、加工肉コーナーで無塩せきなどのこだわり商品を取り揃える(画像8)。
同様の取り組みは多くの店舗で見られるが、コーナーボードやPOPなどで訴求ポイントや付加価値をわかりやすく訴求する取り組みを行っている。消費者の求める価値が多様化するなかで、いかにして価格以外の購買動機を提案するかが、多くのチェーンにとって重要なテーマとなっている。

売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/05/24
冷凍食品、多様化する消費者ニーズにこたえ コロナ禍明けも堅調に推移 -
2025/05/23
日本酒市場、食品とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイントを増やす -
2025/05/23
精肉1人当たり購入金額は減少傾向、簡便性や付加価値の訴求が活発化 -
2025/05/22
減塩商品の食卓出現頻度は増加傾向に、卓上調味料のニーズがとくに高く -
2025/04/07
菓子市場、物価高で食品全般が厳しいなか堅調も、カテゴリーごとには明暗 -
2025/04/07
スンドゥブ市場、韓流ブームを追い風に24年も市場は堅調に推移
この特集の一覧はこちら [164記事]
関連記事ランキング
- 2025-11-06シチュー市場、アレンジメニューやクロスMD提案で、秋冬以外の店頭露出の増加をめざす
- 2025-11-21鍋市場、需要の多様化が進み 関連商品が続々
- 2025-04-25ドレッシング市場、サラダ以外の汎用使いが浸透、野菜高騰下でも堅調に推移
- 2025-11-04即席麺市場、コスパ・簡便性で再評価が進み、市場は安定成長を維持
- 2021-07-262021年の精肉市場はどうなる?販売データや大手食品スーパーの売場からトレンドを探る!
- 2022-08-18だし市場、21年度も堅調に推移 さまざまな形状の商品で需要に対応
- 2022-09-21増加傾向にある食物アレルギー、メーカーによる取り組みも活発化
- 2023-03-23食用油市場、22年度は価格改定が進み、過去最大の市場規模を更新
- 2023-04-26「簡便・時短」から「タイパ」へ 急拡大する「タイムパフォーマンス」志向
- 2023-09-11チリワイン市場、「安旨ワイン」と「高品質ワイン」の二極化へ




前の記事
