広がるメニュー、店の宣伝効果も!? 「グルメ自販機」が進化する背景
利便性だけでなく
エンタメ性も評価
このような自動販売機の多様化に伴い、ホットペッパーグルメ外食総研では「グルメ自販機」について調査を行った。
まずは、「グルメ自販機」に対する評価だ。「良いと思うところ」について尋ねたところ、1位「いつでも買えるところ(52.0%)」「お店までいかずにお店の味を楽しめるところ(45.3%)」「人とやり取りせず買えるところ(27.6%)」と利便性の高さや手軽さにメリットと感じる声が上位に上がった。
また、4位には「自動販売機から料理が出てくるのが面白い(24、7%)」とエンタメ性を楽しんでいる声もあった。これらポジティブなコメントから、「グルメ自販機」への高い評価がうかがえる結果となった。
一方、ネガティブな回答としては、1位「出来立てよりも味が落ちるところ(31.0%)」、3位「お店で食べる味と微妙に違うところ(23.3%)」といった味に関するものが上位となった。
そのほかにも2位は、こちらは先入観もあると想定されるが「衛生的に心配(29.5%)」といった意見もあがっている。これらはある意味、予想通りの結果となった。
背景にはある
自販機や食品製造の進化
では、なぜ「グルメ自販機」がこんなにも普及したのか。
アンケートからも見られるように、消費者の潜在的なニーズを掴んだこともあるが、自販機の歴史・進化でも述べたように、インフラの整備がある。昨今では、冷凍食品を販売できる自販機の開発や、レトルト商品の製造技術や冷凍技術が進歩し、味の劣化が抑えられるようになったことが大きい。
この数年間の勢いは、コロナ禍で経営が厳しくなった飲食店が販売チャネルを増やそうとした、営業努力によるものも背景の1つにあると考える。事業主とっては、人を介せず販売できるため、飲食店の営業時間内外問わず、生産性高く販売できることもメリットとして挙げられるのではないだろうか。
最近では、飲食店が閉店後でも購入できるように店頭に設置したり、大手チェーンが、空港や鉄道の駅、バスターミナル、商店街など人の往来が多い場所に設けたりと、自動販売での商品の販売だけではなく、自店の広告・宣伝効果もねらっているように見える。
~商品・売場づくりに明日から使える!~外食トレンド最前線 の新着記事
-
2024/06/14
働く人の平日ランチ事情 小売店での購入額は増加 平均予算は597円 -
2024/03/14
2023年流行グルメの結果発表と24年の食トレンド予測 -
2024/02/02
栄養成分表示に対する意識調査 「カロリー」「糖質」に続く、消費者が気にする注目成分は? -
2023/09/29
いまやスイーツに焼き肉も!? 飲み会回復とともに注目したい〆グルメ -
2023/08/02
広がるメニュー、店の宣伝効果も!? 「グルメ自販機」が進化する背景 -
2023/06/09
ランチ予算は過去4年で最高! コロナ収束で掴みたい ビジネスパーソンの昼食ニーズ
この連載の一覧はこちら [20記事]
関連記事ランキング
- 2022-12-19プレナスが創業家によるTOBで上場廃止へ! 今後の上場オーナー企業の在り方を考察
- 2023-04-07好調の「バーガーキング」社長インタビュー 28年末までに店舗数を3倍弱に増やす計画を語る
- 2024-09-27丸亀製麺がはなまるうどんに大きく差をつけた「逆張り戦略」とは
- 2024-09-12日本マクドナルドHD、24年度上期大幅営業増益の理由とは
- 2021-05-12元ファストリ社員が北九州のうどんチェーンを「人材育成企業」に変えるまでの道筋
- 2022-02-09順風満帆から一転、倒産の危機へ ブロンコビリーが窮地から抜け出したきっかけは「お客さまの声」
- 2024-01-18物語コーポレーション、初のファストカジュアル「焼きたてのかるび」にヒットの手応え
- 2020-10-02サイゼリヤでアルバイトした星付きシェフが心底驚いた徹底「カイゼン」の凄み
- 2022-12-142席の予約確保に40万円?飲食業界震撼の新サービス「食オク」とは
- 2023-08-03ロイヤルホストがコロナ前よりも売上水準が上がっている複数の理由とは