パワースーツ一瞬で完売!ワークマン が描く高機能ウェアの進化系と労働人口減少対策とは
数値としての裏付けを持った、より高次な機能性ウエア
「単に機能があるとか、新しい技術を取り入れるだけではなく、数値としての裏付けを持ったものをワークマンとして責任を持って販売していく。そのために当社では形にできない部分を企業や大学などの機関の力を借りながらしっかり開発していきたい」
柏田氏がこう話すように、高い機能性と安さのワークマンらしさではなく、同研究所では、高機能に加えエビデンスにもこだわり、科学的裏付けのあるワークアイテムを値段にこだわらず開発し、販売していく。つまり、いい意味でワークマンの「制約」を取り除くことで、より機能性を追求し、社会課題に踏み込めるほどのクオリティを目指す。
実際、上記2製品はそれぞれ9,800円、19,800円となっており、いわゆるワークマン価格と一線を画す。機能面も大学やメーカーの力を存分に借りながら、ワンランク上の機能を装備している。
法人を軸に販売も一瞬で完売
視線の先に、労働寿命延伸という大テーマを見据えるだけに、販路も法人が軸となる。発売済みの2製品は新たに立ち上げられた法人部門が担い、あっという間に製造分を完売。倉庫や警備会社、医療機関など過酷な労働環境にある企業を中心に、多くの引き合いがあるという。
企画から開発までのスピード感が強みのワークマンにとって、企業や大学との協業は諸刃の剣でもある。多くの実験や検証、データ収集などが増えることで、どうしても製造までの時間がかかってしまう。その結果、販売数が需要に追い付かず、限定生産を繰り返すことになる。
とはいえ、法人にとどまらず将来的には現在満足な供給ができていない個人向けの展開も視野に入れており、1000店舗に迫る販売網にあまねく行き渡るよう、体制は整備していく。