ギフト市場、物価高騰でマインドに変化、生活必需品のギフトに注目

山田 陽美
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ギフト関連品目の金額PIおよび金額PI対前年推移

生活に欠かせない食用油ギフトが好調に推移

 相次ぐ食品の値上げにより、ギフトのなかでも生活必需品の価値が高まっており、とくに食用油ギフトが好調だ。中元期の6月の金額PIは451円で対前年同期比17.2%増、7月は1267円で同6.6%増、8月は1023円で同7.1%減。歳暮期の11月は732円で同6.6%増、12月は2174円で同9.5%増、1月は452円で同8.5%増と全体的に伸長した。食用油の価格が上がったことで、食用油は「もらってうれしい」ギフトとして選ばれたようだ。とくに需要が高まっているのが、こめ油。健康感や自然感に加え、おいしさでも評価されており、市場は右肩上がりだ。日清オイリオグループでは23年中元期に向けて、こめ油をアソートしたギフトを数多く品揃えしている。

 同様に生活必需品である調味ギフトだが、全体的に伸び悩んだ。中元期の6月は106円で同17.9%減、7月は344円で同2.4%減、8月は440円で同16.4%減。歳暮期の11月は174円で同3.8%増、12月は577円で同16%減、1月は193円で同0.9%増となった。そのほか、醤油ギフトや日本茶ギフト、お茶漬・ふりかけギフトなども前年割れの月が目立つ。生活必需品のなかでも使用頻度の高い商品のニーズが高かったようだ。

 コロナ禍では特別感やプレミアムなものなど、「ちょっといいもの」が求められたが、物価高騰によりマインドが変化し、食用油などの生活に欠かせない商品が好まれたようだ。仏事のニーズも戻ってきていることからギフト市場全体として回復傾向にあるといえる。

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