初心者向けにPB開発、マツキヨがメンズメイク市場に参入した理由
ドラッグストア「マツモトキヨシ」を展開するマツキヨココカラ & カンパニー(東京都/松本清雄社長:以下、マツキヨココカラ)が、プライベートブランド(PB)matsukiyoの新商品として、男性向けのメイクシリーズ「iisam(イイサム)」を発表。同社MCCマネジメント商品開発課次長の櫻井壱典氏、商品開発を担当したMCCマネジメント商品開発課の和田邦美氏に、メンズメイク商品を開発した理由、メンズメイク市場の動向について聞いた。
メイクに興味はあってもやり方がわからない、Z世代のニーズに応える
さまざまなPB商品を開発してきたマツキヨが、メンズメイクの商品を開発した経緯について、MCCマネジメント商品開発課次長の櫻井壱典氏は次のように語る。
「メンズメイク市場は、かつてのオーガニックシャンプーと状況が似ている。当時、ナショナルブランドの製品は少なく、百貨店で一部扱われている状況だった。そこで、当社は『ARGELAN(アルジェラン)』というPB商品を発売。その後、ナショナルブランドも製品を販売するようになり一気に市場が広がった。その体験から市場規模が小さくてもチャレンジすべきだと考えている。メンズメイクの市場規模は10数億円といわれている。10%のシェアでも1億円以上の規模だ」
そこで開発したのが、『iisam(イイサム)』という男性向け韓国スタイルのメイクシリーズだ。きっかけになったのは、「リアル韓国風」というスタイルを提案し、Z世代から支持される美容室NORAのYUMA氏だった。
「メイクには関心があるが、誰に相談したらいいかわからない、そもそもやり方がわからないというZ世代の男性が多いと教えてもらった。確実にニーズはあるのに適した商品がない状態ならば、男性向けメイクシリーズを作ってはどうかと考えた」
同社がPB商品を開発する際は、グループ理念である「未来の常識を創り出し、人々の生活を変えていく」と合致するかを大事にしている。「未来の常識を男性がメイクすることと捉えるなら、PB商品として出すべき商品だ」と開発に踏み切った。
「市場が大きくなるには商品を使ってみよう、使ってみたいと考える初心者が増えることが重要だ。また、自分が初めて使った商品は心に深く残るもの。matsukiyoブランドを心に深く残したいこともあり、メイク初心者を対象にすることに決めた」