ランチ予算は過去4年で最高! コロナ収束で掴みたい ビジネスパーソンの昼食ニーズ

2023/06/09 05:55
稲垣 昌宏 (ホットペッパーグルメ外食総研上席研究員)
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すべての形態で予算増
最高は出前・デリバリー

 続いて、平日のランチの形態別の予算を尋ねた(図2)。

 その結果、全体平均は447円で、これまで最も高かった20年の調査を上回り、過去4年で最高額となった。最も高かったのは「出前、デリバリーしたもの」で平均1332円(前年1274円)、続く「外食店内での食事」も平均1190円(前年1104円)と平均1000円以上で、ともに3年連続で増額した。

 ほかの食べ方に関しても「小売店や飲食店で購入したもの」の平均574円(前年554円)、「持ち帰り専門店や宅配専門店からテイクアウトしたもの」の平均815円(前年785円)、最も安い「自炊、または家族等が作った食事・弁当」の平均393円(前年368円)まで、すべての食べ方で前年比では増額している。これには物価上昇や食材費の高騰による値上げも影響していそうだ。

 性年代別では、60代女性で「出前、デリバリーしたもの」がとくに高く、平均2027円。20代女性では「外食店内の食事」が平均1377円と高かった。

図2

図の計算方法や項目の詳細はこちら

ランチの食べ方に影響大
ワーク環境の変化

 働き方の変化に伴い、1年前と比べてランチの食べ方に変化があったかについても聞いた。コロナ禍に関連して「テレワーク増加」の影響を聞くのは3回目となる。

 集計結果を見ると、「テレワークの増加」により「1人でランチを食べることが増えた」「自宅でランチを食べることが増えた」「仕事をしながらランチを食べることが増えた」の3項目は前年比でややスコアが減少した。

 一方、今回は「テレワークが日常化したため」を新設しており、その回答スコアとの合計で見ると3項目とも前年比で増加している。テレワークの増加や定着が、有職者のランチ形態に一定の影響を与えていることがわかる。

 また、「コロナ禍前までの働き方に戻りつつあるため」と合わせてみても、コロナ関連影響の大きさが改めて明らかになっている。

 一方で、コロナとは直接は関連しない「仕事の時短や効率化を求められたため」「働き方の異なる人が職場や取引先に増えたため」「人手不足で仕事量が増えたため」などは、全体的に前年比でスコアは減少の傾向で、コロナ禍前に盛んに言われたいわゆる「働き方改革」の影響は相対的に弱まっていると言えそうだ。


【調査概要】
インターネット調査
調査期間:2023年3月1日~8日(水)、有効回答数:5494人(首都圏3253件、東海圏807件、関西圏1434件、各ウエィトバック後件数)、全国47都道府県に住む20〜69歳の男女、マクロミルモニター)

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【執筆者】
『ホットペッパーグルメ外食総研』上席研究員 稲垣昌宏

執筆者

エイビーロード編集長、AB-ROAD.net編集長、エイビーロード・リサーチ・センター・センター長などを歴任し、2013年ホットペッパーグルメリサーチセンター・センター長に就任。市場調査などをベースに消費者動向から外食市場の動向を分析・予測する一方、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や地方創生に関わる活動も行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」

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記事執筆者

稲垣 昌宏 / ホットペッパーグルメ外食総研 上席研究員

エイビーロード編集長、AB-ROAD.net編集長、エイビーロード・リサーチ・センター・センター長などを歴任し、2013年ホットペッパーグルメリサーチセンター・センター長に就任。市場調査などをベースに消費者動向から外食市場の動向を分析・予測する一方、観光に関する調査・研究、地域振興機関である「じゃらんリサーチセンター」研究員も兼務し、「食」と「観光」をテーマに各種委員会活動や地方創生に関わる活動も行っている。肉より魚を好む、自称「魚食系男子」

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