靴下なのに「履かない」!?逆転の発想と技術で大ヒットした、ナイガイの新商品とは

油浅 健一
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老舗の技術力を土台に独創性を追求

商品部門技術開発部開発課
商品部門技術開発部開発課の遠藤裕治氏

 靴下市場は、アパレル市場同様に機能性への需要が高まっており、各社からユニークな製品が続々と生まれている。

 「素足以上に足どり軽く」を掲げる同社は、今後、培った技術力でより快適な靴下を開発することで、市場シェアの拡大を目指す。「靴下の永遠のテーマとして、ずり落ちないようにするという点がある。ゴムを強くすると落ちにくくはなっても締めつけが強くなる。そこは素材や編み方の工夫でまだまだ追求できることはある」と遠藤氏。素足の快適さを補完するような靴下なら、場所や目的を問わず利用シーンも想定され、新たな需要発掘にもつながるだろう。

 百貨店が主流販路の同社だが、独創性のある製品なら、新たな販路開拓もしやすくなる。製品に消費者ニーズをすい上げるような機能性があれば、注目されやすく、そうなるとネットでの拡散も期待され、ECでも売りやすくなる。

 老舗企業の強さが、ブランド力と技術力にあることはいうまでもない。それを活かしつつ、時流や革新性を踏まえた製品開発ができれば、「ホンモノ」として、一過性に終わらない注目製品を供給できる。

 100年以上の歴史におごらず、柔軟な発想で前進を続ける同社の次の1世紀へ向けた、裸足の挑戦が始まった。

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