コスモス薬品が挑む『欠品も過剰在庫も極限まで防ぐ』緻密な仕掛け


 例えば、生鮮食品など優先度の高い商品の入荷が特定の日に集中すると、物流リソースが逼迫するリスクがある。そこで、腐敗の心配がない日用品などを前倒しで入荷することで、リソースを分散させる調整が容易になる。
 つまり、一週間の中で日ごとに発生する波をならし、特定の日に偏りがちな発注量を他の日に分散させることで、短期的な配送負荷の偏りを抑えることができる。
 結果として、「品薄だからとりあえず発注」といった場当たり的な運用から脱却し、物流波動を抑えた安定供給と、現場への負担軽減を両立できる補充体制が構築可能となる。

③ 可視化と最適化:欠品や過剰在庫を回避

 さらに、精度の高い予測と補充を実行するだけでは十分ではない。
 本当に計画通りに「適切な量の商品が、適切な場所に届いているか」をモニタリングし、必要な対策を取ることが不可欠だ。
 RELEXでは、単なる在庫数量の記録にとどまらず、欠品率や過剰在庫といったビジネス上重要な指標を、事前に定義したルールに基づいてサプライチェーン全体で可視化できる。
 その上で、需要予測に基づいたシミュレーションと連動し、SKUごとの欠品・過剰リスクをアラートで検知、迅速な対応を可能にする。

 このダッシュボードを基盤にすれば、商品ごとのきめ細かいコントロールが可能になる。
 例えば、重点商品は安全在庫を高めに設定して優先的に補充する一方、重要度の低い商品は発注頻度や数量を調整して過剰在庫を防ぐ。こうしたメリハリのある在庫戦略を、現場の属人的な判断に依存せず、システム主導で運用できる。
 この可視化機能を土台とすることで、きめ細かなPDCAサイクルを回し、改善までを一気通貫で支援できる。これこそが、これからの日本の小売業に求められる“次の標準”である。

仕組みで“強み”を未来に引き継ぐ

 RELEXの強みは、単なる業務効率化ツールではない。
 それは、企業がこれまで築いてきた現場力を、仕組みとして再現可能なかたちに翻訳し、次世代へと引き継ぐための基盤でもある。
 すでに高精度な供給オペレーションを実現している企業にとっても、それを“継続的に、誰でも再現できる状態”にすることは、新たな成長のための重要なテーマだ。
 コスモス薬品がRELEXを導入したのは、「いまのやり方が限界だから」ではない。いまの強みを、将来まで強みとして持ち続けるための意思決定である。
 小売業のサプライチェーンは、これから「人の力」から「仕組みの力」へと進化していく。

 コスモス薬品のこの選択は、その象徴的な一歩となるかもしれない。

 

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