コスモス薬品が挑む『欠品も過剰在庫も極限まで防ぐ』緻密な仕掛け


需要予測・補充・最適化を統合的に支えるRELEX

 RELEXは、こうした不確実な供給環境に対し、「需要予測」「補充計画」「可視化と改善」の3つの領域からアプローチする統合プラットフォームを提供している。

① 需要予測:カテゴリ横断・全拠点の精緻な未来予測

 多くの企業が需要予測に取り組んでいるものの、特定カテゴリに限定されていたり、商品群ごとに異なるシステムで構築されていたりと、全体最適には至っていないのが現状だ。
 RELEXは、POS・販促・天候・曜日・地域イベントなど、需要に影響を与えるあらゆる要素を加味し、全SKU・全拠点の需要と在庫を単一のプラットフォーム上で予測可能にする。
 生鮮・総菜・冷凍・チルドなどカテゴリごとの特性を踏まえた高精度な予測モデルを共通基盤上で提供することで、全体整合性の取れた、持続可能な予測運用を実現する。
 さらに特筆すべきは、店舗起点で在庫型物流センター(DC)の需要を「逆算する」アプローチである。

 店舗とDCの予測・在庫データを連携させることで、店舗・DC・本部が同じ予測を前提に一貫した計画を立てられるようになる。これにより、部門間の認識齟齬や二重管理といった運用リスクを排除できる。
 その結果、サプライチェーン全体の流れがスムーズになり、欠品や過剰在庫といった両方のリスクを大幅に抑えられる。
 日本が誇るきめ細かな物流基盤とマニュアル作業の積み重ねを、川上から川下まで統合したサプライチェーンに昇華させることで、さらに高次元の体制を実現できるはずだ。

②補充計画:制約条件を踏まえた最適な発注設計

 そして、予測はあくまでも、供給計画における「起点」に過ぎない。
 本来あるべき補充計画とは、需要予測をベースにしながらも、安全在庫や棚容量、作業キャパシティなどを加味し、現場の負荷を抑えつつ、いかにムダなく補充するかを設計することにある。
 従来の定量発注やMin-Max方式のような「品薄になったら発注する」方式では、補充が後手に回り、物量や作業が一時的に集中することがある。トラックや人員が逼迫し、店舗・センター双方での突発対応が常態化しやすいという構造的課題を抱えている。
 RELEXでは、トラックの積載条件、リードタイム、発注ロット、発注頻度などの制約条件をすべて加味し、経済合理性の高い補充タイミングと発注数量を自動算出する。

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