ソフトバンク DX推進から生成AIの活用まで小売業向け総合支援体制を強化

2024/03/04 10:00
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小売業の生成AIの導入から活用・定着化までトータルで支援

 小売業における生成AIの利活用に関する問い合わせも増えているという。同社では、生成AIのサービスを4つのステップに分けて提案。ステップ1は導入/検証、ステップ2ではマニュアルなどのデータを格納して生成AIを企業ごとに最適化し、ステップ3は専門的な業務システムとデータ連携を進め、ステップ4では企業の固有モデルを利用して新規価値創出を図る。小売業はステップ2でも業務効率化の効果が高められるとみており、実際に社内の問い合わせ対応の工数を削減する生成AIの活用事例では、サポートチームの人員を大幅に省人化する成果をあげている。

 「小売業における生成AIの活用はこれから本格化していく。生成AIの導入や活用方法で悩まれている企業も多い。ソフトバンクでは顧客企業が生成AIを現場の業務効率化に役立てられるようにAI環境の構築からAI開発のサポート、AIを活用できる人材育成支援まで、トータルでの提案を強化していく」と弓削氏は述べており、「Microsoft Azure」と「Azure OpenAI」による生成AI利用環境の迅速な構築と、各種サービス・アプリケーションと連携可能な各種プラグインやオプション、導入後のサポートまでを提供する「生成AIパッケージ※」で市場開拓を本格化していく。
※従来は「Azure OpenAI Serviceスターターパッケージ」としてサービスを提供。3月11日以降は「生成AIパッケージ」としてサービス提供

 オプションの具体例としては、スマホでインカムのように一斉通話ができる「Buddycom(バディコム)」との連携機能を新たに用意した。SMやHC、ディスカウントストアなどの大型店で、店舗スタッフがお客さまから売場や商品について質問され、リアルタイムに回答しなければならない場面で、音声で質問して生成AIからすぐに回答が得られれば、マニュアル検索時間の削減やスタッフの接客レベル向上、お客さまの体験価値向上につながる。既にPoCを開始した事例では、増加するインバウンドにおける免税関連の質問に対する生成AI応対がある。免税関連の質問は法令に遵守した適切な回答が必要であり、生成AIに尋ねることで安心して正確な回答を用意することができる。

生成AI画像
生成AIを活用したリアルタイムの回答は顧客体験の向上につながる

 また、生成AI環境に自社の社内データを連携させるための、データ構造化支援サービスである「TASUKI Annotation」を、生成AIの導入やデータ利活用に悩んでいる企業へ提供し、企業内で生成AI環境を積極的に利用するステージへのスムーズな移行を支援していく。

TASUKI画像
生成AIに社内データを連携させるためのデータ構造化を支援している

 ほかに、AI・DX人材育成支援サービスの「Axross Recipe」は、AI開発のノウハウや事例を教材化して「レシピ」として提供し、生成AIの活用を組織内で浸透させる。

Axross画像
AI開発のノウハウや事例を教材化し、生成AIの活用が組織で定着するように支援している

 小売業のDXを推進する「バリューチェーンの総合支援」は、3月に行われる展示会「リテールテック JAPAN 2024」のソフトバンクブースで紹介される。会場では小売業のDX推進における課題を明確に定義して、課題解決に役立つソリューションの提案展示を充実させる。また、「生成AIパッケージ」と「Buddycom」を連携させ、売場における各種問い合わせ対応を想定した体験型デモンストレーションのほか、小売業の業務プロセスを横断したデータの利活用や生成AIの具体的な活用方法に関するセミナーも予定されている。

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