アルディ、リドルが勢力拡大 ヨーロッパのディスカウンター事情
欧州は、今や米国でも大きなシェアを誇るアルディ(Aldi)やリドル(Lidl)が本拠を置く、いわばディスカウンターの“聖地”の1つ。
インフレ下で消費者の価格感度がより高まっているなか、この2社はもちろん、欧州地盤のディスカウンター各社が目を見張る成長を示している。
DSの市場シェアが各国で伸長
英国、ドイツ、フランスなど、欧州11カ国の消費者1万2598人を対象としたマッキンゼー&カンパニー(McKinsey &Company)のアンケート調査では、48%が「買物で節約する方法を探している」と回答した。
これらの国では2023年にディスカウンターの市場シェアが平均0.8ポイント(pt)上昇。英国、ドイツ、ベルギー、ポーランド、スウェーデンではその上昇幅が1.0pt以上になっている。
以降、ドイツを本拠に欧米各国で出店攻勢をかけながらシェアを伸ばしているハードディスカウンター(HDS)のアルディ、リドルのほか、欧州を地盤とする主要なディスカウンターの動向をみていきたい。
アルディ
英国でのシェア2ケタに到達!
米国ではM&Aで店舗網拡大
ドイツを本拠とするHDSのアルディは、同国南西部と英国、米国、オーストラリアなど11カ国で約7400店舗を展開するアルディ・ズード(Aldi Süd)と、ドイツ北東部やフランス、スペインなど、欧州8カ国で約5300店舗を展開するアルディ・ノルト(Aldi Nord)に分社化されており、それぞれの地域で店舗網を広げてきた。

同社は近年、とくに英国と米国で事業規模を著しく拡大させている。このうち英国では、23年度の売上高が対前年度比15.5%増の179億ポンド(3兆4010億円:1ポンド=190円で換算)と過去最高の伸び率を示している。
22年に英国の食品スーパー(SM)大手・モリソンズ(Morrisons)を上回って業界4位に躍進した後も食品小売市場におけるシェアを伸ばし、24年12月時点では10.0%を占める。
英国内の店舗数は23年9月に1000店を突破し、「1500店体制」を新たな中期目標に掲げて出店をさらに加速させている。25年には6億5000万ポンド(1235億円)を投資し、約30店を出店する計画だ。
一方、
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