苦戦続きの中国のショッピングモール、二次元コンテンツが起死回生の一手に

文:牧野 武文(ライター)
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「キャラクターグッズ」がショッピングモールの救世主に?

 中国の中高生の間で「谷子(グーズ)」と呼ばれる商品がブームの様相を呈している。谷子とは「グッズ」の音をとったもので、アニメやゲームのキャラクターグッズのこと。

 具体的には缶バッジ、カード、フィギュアなどで、日本のアニメ『呪術廻戦』や『SPY×FAMILY』、中国のゲーム『原神』などの二次元キャラクターグッズがとくに人気だ。

 このブームが中国市場では、「ショッピングモールの救世主」となり、さらには消費行動を変えるきっかけになるのではと期待されている。中国のショッピングモールの現状は非常に厳しい。

 贏商研究センターによる重点27都市600超のモールを対象とした調査では、2024年上半期の平均空室率は8.5%だった。空室率が10%を超えるモールは全体の約3割、20%を超えるモールも全体の1割を超えている。

 とくに厳しいのが都市型モールだ。街の中心部という立地こそよいものの、クルマでのアクセスが不便なため買物ボリュームに限りがあり、利用客の滞在時間が短い。

 また、かつての古い百貨店を改装したモールが多いため、10階建てなど縦に長い構造になっている。集客力のある店舗は1階や2階に入居するため、上層階が寂れやすく、それがモール全体の活気を失わせている。

上海での成功例が他都市にも飛び火

 上海市中心部にある「華聯商業ビル」も、そのような寂れたモールだった。空室率も高止まりしていたところ、23年1月にグッズショップなど二次元関連の店舗を40店舗以上入れ、「百聯ZX創趣場」としてリニューアルした。

 これが大成功を収めた。平日でも

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