「AIがサステナビリティを実現する」その最新事例とは

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SDGsやサステナブルという言葉に踊らされて、逆に無駄な施策を打つ愚は避けなければならないが、小売業界として取り組まなければならない課題は確かにあると私は考えている。

 たとえばジェンダー平等。売場には女性が多いのに管理職レベルになると男性ばかりだという批判はアメリカでは10年以上前からあって、長期スパンで取り組みが進んで管理職の女性比率はかなり上がっている。

 とりわけ食品小売業界ではゴミと廃棄の削減こそが最大のテーマだと私は考えている。日本ではなかなか俎上に載せられないが、店舗が排出するゴミは相当なボリュームである。

レシートとカート内の商品の照合を自動で行う機械
サムズクラブの店内に設定されたレシートとカート内の商品の照合を自動で行う機械

 とくに私がここで指摘しておきたいのはメーカーが好む店頭の販促物だ。廃棄されるのは店頭で実際に利用される販促物だけではないことを消費者は知らない。メーカーが店に送り込んだが取り付けられずにバックルームに転がっている未使用分だけではなく、不足することを防ぐために多めにつくることでメーカー自身が大量の販促物を抱え廃棄する。

 その販促物をエンドや棚に付けたとして、どれだけ売上に貢献するのか。仮に売上に貢献したとして、ゴミを大量生産することは正当化されるのか。競合メーカーがやっているからやめられなくなっているだけなのではないか。

 大手メーカーにSDGsをうたう企業は多いが、販促物というゴミを大量生産している限りまったくサステナブルではないと私は思っている。

ウォルマートが始めた「ノウハウのシステム化」

 ウォルマートが優れものの店頭テクノロジーを公開した。

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在米40年、現在はロサンゼルス在住。小売業界ジャーナリスト。年間訪問店数はのべ600店舗超、現場検証に基づいた分析をモットーとする。

著書

『ソリューションを売れ!』(ニューフォーマット研究所)
『誰も書かなかったウォルマートの流通革命』(商業界)
『アマゾンVSウォルマート ネットの巨人とリアルの王者が描く小売の未来』(ダイヤモンド社)

 

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