米雇用統計、10月53.1万人増 失業率は4.6%に改善

ロイター(ロイター・ジャパン)
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11月5日、米労働省が発表した10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より53万1000人増加した。予想されていた以上の増加幅となり、第4・四半期の初めに経済活動が勢いを取り戻したことをより鮮明に示した。写真は2017年5月、ボストンで撮影(2021年 ロイター/Brian Snyder)

[ワシントン 5日 ロイター] – 米労働省が5日発表した10月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月より53万1000人増加した。予想されていた以上の増加幅となり、第4・四半期の初めに経済活動が勢いを取り戻したことをより鮮明に示した。今夏の新型コロナウイルス感染者数の急拡大が収まったことを受けた。

9月の雇用者数の増加幅も、当初発表の19万4000人から31万2000人へ上方改定された。雇用者数は2020年2月に付けたピークと比べるとなお420万人低い水準にある。年初からの月ごとの伸びの平均は58万2000人。

10月の市場予想は45万人増だった。ただ、予想には12万5000人から75万5000人まで幅があった。9月初めに連邦政府の失業手当が終了し、学校が再開して対面授業が始まったが、労働者不足は続いている。

人手不足を反映し、賃金は引き続き上昇。時間当たり平均賃金は前月比0.4%、前年同月比4.9%増加した。

感染力が強い新型コロナのデルタ変異株による感染拡大や、経済全般での商品不足が響いて第3・四半期の経済成長が1年超ぶりに鈍化した後、消費者信頼感やサービス部門の活動がともに上昇していることを映し出した。

10月の失業率は4.6%と、9月の4.8%から改善した。企業の求人が非常に強い一方で、引き続き数百万人が失業しており、労働力となっていない。

10月は10万4000人が労働市場に参入したにもかかわらず、労働参加率は61.6%と前月から横ばい。労働参加率は20年6月以降、61.4─61.7%の狭い範囲内にとどまっている。

27週以上連続で失業している人の数は35万7000人減の230万人。公式に失業していると見なされている人(74万人)の31.6%に相当した。

プリンシパル・グローバル・インベスターズのチーフストラテジスト、シーマ・シャー氏は今回の雇用統計について、労働参加率が低調だったことが唯一の弱点だったと指摘。ただ「政府の雇用支援の削減、学校の対面授業の再開、感染者数の減少などを踏まえると、労働参加率は回復していくとみられる」と述べた。

業種別では、レジャー・接客が16万4000人増。専門職・企業サービス、輸送・倉庫、ヘルスケア、卸売、金融、鉱業でも増加した。製造業は6万人増。このうち2万8000人が自動車製造だった。建設は4万4000人増。

一方、政府部門は7万3000人減。州・地方政府の教育部門の人員が6万5000人減少した。政府は、新型コロナ感染状況に関連する教育部門の人員数の変動で、通常の季節的な動きが歪められているとしている。

労働市場の需給ギャップは、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の最中の家庭内の介助や、新型コロナ感染の恐れ、早期退職、多額の貯蓄や転職、高齢化、さらに最近終了した失業給付追加支給などが要因とされる。都市部を離れた多くの人々がまだ戻ってきていないことから、仕事と住んでいる場所との間にミスマッチが生じている可能性もある。

8月末時点の求人数は1040万人だった。パンデミック前に比べ、依然として約500万人が失業している。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は今月3日、記者団に「労働供給に対する阻害要因は、ウイルス封じ込めのさらなる進展によって減少し、雇用増と経済活動を支えるはずだ」と述べた。

FRBは今月、テーパリング(量的緩和の縮小)を始めると発表した。

連邦政府が来年1月4日に施行するコロナワクチン義務化は政府の請負業者と従業員100人以上の企業に適用され、労働者不足をさらに悪化させる可能性が懸念されている。

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