価格凍結、アプリ、配達強化…仏カルフールの周到なコロナ第2波対策
欧州の多くの国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大の第2波が広がっている。事態が最も深刻なフランスでは、10月28日夜にエマニュエル・マクロン大統領が、10月30日から全土で外出制限を実施すると発表した。
具体的には、リモートで仕事ができない場合の出勤や生活必需品の買物、通院、1日1時間の運動以外の外出が再び禁じられた。期限は12月1日までとされているが、延長される可能性もある。
2度目のロックダウン(都市封鎖)が開始された10月30日、同国小売大手のカルフール(Carrefour)が外出制限中に実施するサービス内容を発表した。なかには、第1波のときはなかった試みもある。
まず、カルフールの店舗で取り扱うナショナルブランド(NB)とプライベートブランド(PB)の食品全品の価格を凍結する。相場が変動しやすい生鮮3品と地元の中小メーカーの商品といった例外はあるものの、家計の維持を目的に価格凍結される商品の品目数は、ハイパーマーケットで約5万SKU、スーパーマーケット(SM)で約2万SKUに及ぶ。
カルフールは1度目のロックダウン以降、一部商品の価格引き下げといった、いくつかの価格政策を実施してきた。今回はそれらとは違う大規模な価格凍結を決断したかたちだ。
次に11月2日から、パリおよびその近郊にある同社SMの10店舗ほどで、ショートメッセージ・アプリWhatsAppで商品の注文を受け付けるサービスを開始した。
利用できるのは、
太田美和子のユーロトレンド の新着記事
-
2024/03/21
欧州で 再び 小商圏小型店の開発が進む理由とは -
2024/02/17
苦境に立つ欧州百貨店 手を差し伸べるタイのセントラルとは -
2024/01/20
英国でセインズベリーがアルディからシェアを奪取!その手法とは -
2023/12/06
ヨーロッパでも中華系EC が勢力拡大の理由と戦略 -
2023/11/06
経営資源を「そこに集中?」スペイン百貨店ECIの戦略とは -
2023/10/05
無人店舗も拡大中、CVS9000店を展開するポーランドの「ジャプカ」とは
この連載の一覧はこちら [40記事]
関連記事ランキング
- 2024-11-25ウォルマートをも打ち負かす! アメリカ最強スーパーを形づくる4つの条件とは
- 2024-12-11米国で「やせ薬」が大流行 メーカー、小売が受ける「大きな影響」とは
- 2024-11-29米EV の総数は330万台、裕福なEVオーナーたちのお気に入りの小売店は?
- 2024-11-25テキサス州だけで売上6兆円近く!最強スーパー、H-E-Bとは
- 2024-11-25グルメスーパーの代表ウェグマンズ 最強をつくる4つの特徴
- 2023-06-08アメリカ小売業トップ10社ランキングに見る、大手企業の最新動向!
- 2024-11-15クシュタールのセブン買収提案は米国内でどう報じられているのか、在米ジャーナリストが解説
- 2021-03-22SDGsで先行する欧米食品スーパーの現状は?ウォルマート、クローガー、テスコの事例を紹介
- 2023-12-22今注目の「フェイクフィッシュ」とは
- 2024-06-15AI 活用「配送最適化」進む!米国小売、最新物流戦略