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米ADP民間雇用、10月は予想下回る36.5万人増 経済活動失速か

米ユタ州で行われた就職フェア会場
4日に発表された10月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが36万5000人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の65万人を下回った。ユタ州サンディーで昨年3月撮影(2020年 ロイター/George Frey)

[ワシントン 4日 ロイター] – 企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)とムーディーズ・アナリティクスが4日発表した10月の全米雇用報告は、民間部門雇用者数の伸びが36万5000人と、ロイターがまとめたエコノミスト予想の65万人を下回った。

新型コロナウイルス感染が各地で再拡大し、政府の支援策が先細る中、経済活動が失速しつつある兆候を示唆した。

9月分は75万3000人と、当初の74万9000人から上方修正された。

10月の民間雇用の伸びは、レジャー・接客業など、コロナ禍の打撃を直接的に被った業種を中心に幅広い業種で確認された。

ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ザンディ氏は「雇用の伸びが今後失速することに神経質となる理由が存在する」とし、「新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は勢力を増し、大統領選は接戦となっている。政府の財政支援にも欠く状況で、いずれ問題に発展する可能性がある」と述べた。

ING(ニューヨーク)のチーフ国際エコノミスト、ジェームズ・ナイトリー氏は「新型ウイルス感染拡大、州・地方政府の財政難、失業手当の期限切れに伴う収入減などのマイナス要因が強まる中、今回の結果は米経済に望ましいものではなかった」と指摘。「対立のほか、(選挙結果を巡る)訴訟の恐れがあることで、景気支援策が迅速に策定される可能性は遠のいている」と述べた。

ロイターが実施したエコノミスト調査によると、6日に発表される10月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が60万人増と、9月の66万1000人増から伸びが鈍化する見通し。