[北京 3日 ロイター] – 財新/マークイットが発表した5月の中国サービス部門購買担当者景気指数(PMI)は55.0となり、4月の44.4から上昇した。厳しい新型コロナウイルス封じ込め措置から経済が回復する中、景況拡大と悪化の分かれ目となる50を1月以来初めて上回った。ただ、雇用と海外需要は低迷したままとなっている。
5月のPMI指数は2010年終盤以来の高水準。サービス業は中国経済の約60%を占め、雇用創出の柱でもある。
指数の50超えを主導したのは国内新規ビジネスの急拡大だ。一方で、輸出受注は4カ月連続で減少した。
雇用も引き続き縮小しているものの、縮小ペースは鈍化した。
財新智庫のシニアエコノミスト、王哲氏は「サービス部門における雇用は依然心配だ」と指摘。一方で「サービス部門の需要は製造部門よりも力強く回復した。中国以外で新型コロナ感染拡大の影響が続く中、製造部門はさえない輸出で圧迫感がより強かった」と述べた。
財新の中国製造業PMIも5月に50を上回ったものの、サービス部門ほどの拡大ペースとはならなかった。
5月のサービス部門の販売価格は6カ月連続で下落。投入価格は小幅下落。
財新のPMIは、サービス部門と建設部門の景況拡大モメンタム加速を示した中国国家統計局のPMIに沿う内容となった。
財新のPMIは国家統計局の統計に比べ、規模が小さく、輸出志向の企業の比重が大きい。
製造業とサービス業を合わせた財新の5月総合PMIは54.5で、4月の47.6から上昇した。
王氏は「全般的に、需給の改善は依然として新型コロナ流行による影響を完全に相殺できなかった。経済が通常に回帰するにはさらなる時間が必要だ」と述べた。