米ファイザー、新型ウイルスのワクチンで独社との協業検討
[5日 ロイター] – 米製薬大手ファイザーは、独バイオ医薬品企業ビオンテックと共同で新型コロナウイルスのワクチンを開発する可能性を検討している。ミカエル・ドルステン最高科学責任者が5日、ロイターのインタビューで明らかにした。
細胞の中で遺伝情報を転写するメッセンジャーRNA(mRNA)を用いたビオンテックの医薬品開発技術を活用することに関心があると語った。
ドルステン氏は、トランプ大統領と製薬大手幹部が2日に開いた会合に出席した際、ファイザーは新型ウイルスの治療薬開発に取り組んでいると発言していた。
ただ、インタビューでは、ワクチン開発に乗り出す方向で検討していると明らかにしたうえで、mRNAを用いたインフルエンザのワクチンで既に協業しているビオンテックの新型ウイルスでの取り組みにも関心があると述べた。
「協業によってメリットが見込まれる部分があるかどうかを検証する」と語った。
ビオンテックの最高経営責任者(CEO)は前月、同社が今年の早い段階からmRNAを用いた新型コロナウイルスのワクチン開発を検討してきたと明らかにしている。
合成されたmRNAを用いてワクチンを開発すれば、従来型のワクチンに比べて開発や製造時間の短縮につながる可能性がある。
米モデルナもmRNAを用いた医薬品開発に重きを置いており、試験的なコロナウイルス・ワクチンを既に開発している。月内に臨床試験を始める計画だ。