フードデザート問題を解決する、独レーヴェ発の無人店舗とは

太田 美和子
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レーヴェの無人店舗「ナーカウ・ボックス」
レーヴェの無人店舗「ナーカウ・ボックス」は、小さな村や町でも経営が成り立つフォーマットとして開発された

 世界各国で無人店舗やレジなし店舗が次々にオープンしている。早くも珍しい存在ではなくなりつつあるが、ドイツの小売大手レーヴェ(REWE)が開発した「ナーカウ・ボックス(nahkauf Box)」は他店とは着想が異なるユニークな無人店舗である。

 世界21カ国で小売事業や観光事業を展開するレーヴェは、ドイツ国内では小売事業だけでも10ブランドを運営する。そのうち、食品・日用消耗品を取り扱うチェーンストアは、スーパーマーケット(SM)「レーヴェ」、小型SM「ナーカウ」、コンビニエンスストア(CVS)「レーヴェ・トゥ・ゴー」、ディスカウントストア「ペニー(PENNY)」である。

 小型SM「ナーカウ」の売場面積は400~800㎡ほど。村や小さな町に立地し、生活必需品を幅広く取り扱う。ドイツには、地域内に日用品を購入できる店舗がないフードデザート問題を抱える町や村が8000町村あるといわれている。「ナーカウ」は、そのような地域の日々の生活を支える目的で開発された。独立系の小売業者や地方自治体、非営利団体が、レーヴェから商品供給やその他技術的な支援を受けて運営している。そんな「ナーカウ」がドイツ国内に450店舗ほどある。

 人口の少ない地方自治体に出店しても経営が十分に成り立つように、レーヴェは新しいフォーマットの開発に取り組んだ。そして完成したのが、

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