コロナ脱出で業績急回復? 最新決算発表前に確認しておきたい、アパレル専門2022年度決算
2022年度大手業績、外出機会が増え、好調に推移
間もなく、23年度決算が発表になる。好調企業の勢いはどこまで続くのか、コロナ禍からの回復は見えたのか。各社の決算発表を前に、22年度決算での売上ランキングはどうなっていたのか、ここで振り返っておこう。
22年度決算では、「まん延防止等重点施策」の解除や、政府の旅行支援により外出機会が増え、衣料品の消費意欲が回復。増収企業が多くを占めた。
売上首位のファーストリテイリングの22年8月期は、売上収益が前期比7.9%増の2兆3011億円。当期純利益は60.9%増の2733億円だった。海外ユニクロ事業が北米と欧州を中心に好調で、20.3%増の1兆1187億円と大幅増収。国内ユニクロ事業は冬物商品が欠品した影響で同3.8%減の8102億円だった。
2番手のしまむらは単体売上高が5.4%増の6093億円、当期純利益は7.2%増の378億円だった。主力の「しまむら」を含む5業態すべてで増収だったほか、台湾の思夢樂事業の売上高も11.8%増と、前期に続いて増収を果たした。22年秋にリリースした公式アプリのデジタル会員数は年度末で309万人に達した。
第3位はアダストリア。売上高は13.0%増の1967億円。当期純利益は49.1%増の66億円だった。外出需要の増加を背景に、「グローバルワーク」をはじめとした主力ブランドが業績を牽引した。
国内EC事業の売上高は8.9%増の626億円で、国内売上に占めるEC化率は28.7%。自社ECサイトの「ドットエスティ」も成長を続けており、会員数は23年2月末時点で1550万人だったが、24年2月期3Q末時点では約1710万人にまで拡大している。