効率改善、DXが進むもコスト上昇の影響色濃く……アークス2022年度決算

崔 順踊(リテールライター)
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売上高1兆円体制をめざす

 アークスでは今後も世界的な景気の不透明感や物価の上昇は避けられないとし、仕入れ価格やエネルギー価格の上昇など経営環境は以前にも増して一段と厳しい状況になると見込んでいる。

 2024年2月期の業績予想では、売上高が同2.8%増の5820億円、営業利益が同0.2%減の148億円、経常利益が同1.5%減の162億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と同じ99億円を見込む。

 グループとして厳しい経営環境の中、アークスでは「価値変容の時 インフレに挑戦 新価格体系の移行で幸福な生活を創出す。」を年頭方針に掲げ、地域のライフラインとして社会貢献していくことをグループ全体で共有している。

 具体的な施策としては、営業面では他社連携をより強力に進めていく。たとえば、シジシージャパンと連携し、原料調達やパレット配送の活用、容器や包装資材の見直しなど効率性の向上を行うと同時に、棚割り構成や販売の強化に取り組む。新日本スーパーマーケット同盟においては、分科会を再編して各取り組みを強化すると同時に、共同開発商品や共同仕入れ、優良産地や商品の相互紹介などを通した他社との差別化を図るとしている。ラルズでは中規模農家からの仕入経路を拡大し、少量ロット商品の取り扱いを充実させる。

 DXでは、ID-POSを含む各種データをベースとしたマーケティングを強化、アプリ機能の拡充とRARAカード会員様の購買情報を連携させることにより、顧客満足度および利便性向上をめざす。オンラインショップの拡大や専門業者と連携したフードデリバリーの推進などにも取り組み、販売チャネルの拡大していく構えだ。

 2025年度に売上高1兆円をめざすアークスでは、「Mind(精神) & Agreement(合意)=M&A」を加速し、グループの特徴の1つでもある「八ヶ岳連峰経営」(富士山のように高くそびえる大きな一つの企業体ではなく、八ヶ岳連峰のように同じ高さの山々が連なる企業連合・各事業会社の自主性を重んじる連合を指す)を深化させ、グループシナジーをさらに発揮させ、成長を実現するとしている。

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