街角景気、7月は0.8ポイント上昇 基調判断「持ち直している」で維持
[東京 10日 ロイター] – 内閣府が10日発表した7月の景気ウオッチャー調査で景気の現状判断DIは48.4と、前月から0.8ポイント上昇した。2カ月連続のプラス。新型コロナウイルスの感染拡大の影響はあるものの、東京オリンピック開催やワクチン接種の進展などが人々の景況感を明るくしたとみられている。
内閣府は、景気ウオッチャー調査の判断の表現を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさは残るものの、持ち直している」とし、前月から据え置いた。
家計動向関連DIは47.2と前月から2.6ポイント上昇した。小売、飲食、サービス関連がそれぞれ上昇。「地域によっては、まん延防止等重点措置が終了になっていたことなどが好感された」(内閣府の担当者)という。
家計動向関連では「気温の上昇とともに、ドリンクなどの売り上げや来客数も増えている。東京オリンピック効果で、在宅でテレビ観戦するためのまとめ買いも増えている」(北関東=コンビニ)との声があった一方、「飲食店では緊急事態宣言中は酒を出せない。売り上げは全く上がらず、厳しい状態」(南関東=一般レストラン)という声も出ていた。
企業動向関連DIは49.4。前月から3.7ポイント低下したが、「水準としては高い」(内閣府の担当者)。半導体不足や原材料価格が高騰したなどのコメントが寄せられたという。
先行き指数は前月比4.0ポイント低下し、48.4となった。7月末にかけて新型コロナ感染者が増加してきたことが影響し、家計、企業、雇用の3分野すべてで低下した。ワクチン接種の進展による景気改善に期待するコメントが多かった一方、「感染者数に変化が出るまでは、厳しさが増すと予想される」(近畿=一般レストラン)との声もあった。
内閣府は先行き判断を「感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等によって持ち直しが続くとみている」とした。
調査期間は7月25日から31日まで。7月23日に東京オリンピックが開幕。一方、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、政府は7月30日、埼玉、千葉、神奈川、大阪の4府県を緊急事態宣言の対象地域に追加することや、5道府県にまん延防止等重点措置を実施すること、東京都と沖縄県の宣言を延長することなどを決めた。