街角景気、5月は2カ月連続悪化 先行きはワクチンに期待

ロイター
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夜の都内を歩く人々
6月8日 内閣府が発表した5月の景気ウオッチャー調査によると、景気の現状判断DIは38.1となり、2カ月連続で悪化した。写真は4月25日、東京で撮影(2021年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 8日 ロイター] – 内閣府が8日に発表した5月の景気ウオッチャー調査によると、景気の現状判断DIは38.1となり、2カ月連続で悪化した。緊急事態宣言や「まん延防止等重点措置」などが影響し、家計動向関連が下押しされた。一方、2―3カ月先の景気に対する判断DIは47.6と、前月を5.9ポイント上回った。コロナワクチン接種の進展に対する期待が出ているという。

内閣府は、景気ウオッチャー調査の現状判断を「新型コロナウイルス感染症の影響による厳しさが残る中で、持ち直しに弱さがみられる」とし、前月から据え置いた。

家計動向関連は、緊急事態宣言などの影響で小売り、飲食、サービス関連がそれぞれ悪化した。「時短営業とアルコール提供禁止で、売り上げはほとんど半分以下になっており、景気はかなり悪い」(南関東=一般レストラン)、「土日の休業を要請され、食料品や化粧品のみの販売となり、平日の来客数や売上も激減している」(中国=百貨店)といったコメントが出ていた。

企業動向関連の現状判断DIは46.9と、前月から1.1ポイント上昇した。製造業で持ち直しの動きが出ており「半導体事業関連が増産傾向」(九州=電気機械器具製造業)との声が聞かれた。一方、「取引先の決算では、売上、利益が減収減益となっていることが多く、景気は悪くなっているように感じる」(近畿=金融業)とのコメントもあり、企業間で景況感にばらつきもみられた。

内閣府は、先行き判断に関して「感染症の動向を懸念しつつも、ワクチン接種の進展等による持ち直しへの期待がみられる」とまとめた。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連はいずれも上向くと見込まれている。地域別では全国12地域中、10地域で上昇、2地域で低下だった。

先行きについて、各業界からは「緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の解除を始め、新型コロナウイルスのワクチン接種拡大により人流が回復すれば、消費マインドは改善される(北関東=百貨店)、「東京オリンピックが開催されることで、家飲みの需要増加に期待している」(九州=コンビニ)との声が聞かれた。

調査は5月25日から月末にかけて実施された。

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