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ソフトバンク、4―9月期営業利益は6.8%増 デジタル化需要捉え

東京のソフトバンク本社に掲げられた社名
ソフトバンクは4日、2020年4―9月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年同期比6.8%増の5890億円になったと発表した。写真は東京の同社本社に掲げられた社名。今年9月9日撮影。(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 4日 ロイター] – ソフトバンクは4日、2020年4―9月期の連結営業利益(国際会計基準)が前年同期比6.8%増の5890億円になったと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けたデジタル化需要を捉え、全セグメントが増益となった。

会見した宮内謙社長兼CEO(最高経営責任者)は「事業が多様化し、コロナのような危機が迫っても増収増益できる体力、基盤ができてきた」と述べた。純利益は同3.8%減の3151億円だったが、前年の水準が高かったと説明。上半期の進捗率が6割を超えているとし「通期で増益は間違いないと思っている」と述べた。通期では前年比2.5%の増益を予想している。

売上高は同2.3%増の2兆4284億円だった。法人事業では、クラウドサービスやセキュリティソリューションといったテレワーク関連の売り上げが増加、ヤフー事業はeコマース(電子商取引)取扱高が増加した。法人事業のセグメント利益は同18.2%増、ヤフー事業は同29.8%増と、それぞれ伸長した。

一方、消費者向けは、端末売り上げの減少などで同2.6%の減収となった。スマートフォン契約数は伸びたが割安なワイモバイルが中心だったほか、ソフトバンクでの割引もあって平均単価が減少した。ただ、原価の低い端末の販売構成比が上昇したほか、販売台数減少で商品原価が下がったことなどで、セグメント利益は1.2%増を確保した。

また、ワイモバイルで割安なデータ容量20ギガバイトのプランを導入することは、単価としてはマイナスながら、これまでユーザー数を増やすことで利益を拡大してきたとし「大きな収益減になるとは見ていない」とした。

次世代ネットワーク投資2.2兆円

宮内社長は、第5世代(5G)・第6世代(6G)通信網を含む次世代ネットワークに今後10年で2.2兆円を投資する予定と述べた。全国で5Gが本格展開すれば、地方行政から工場、物流までデジタルシフトが進むとし「投資を徹底する覚悟をしている」とした。

5Gの基地局の整備について宮川潤一副社長は、今年度末1万局、来期に5万局、5年後に20万局との計画を示した上で「10年で35万局は最低で必要だろうと計算している」とした。ソフトバンクブランドで5Gの無制限プランも検討しているという。

NTTによるNTTドコモの完全子会社化については「公正競争をゆがめることがあれば大変」と指摘。宮内社長が会長を務める電気通信事業者協会の会員企業からも声が挙がっているとし「懸念はないのか議論し、公表していきたい」と述べた。

21年3月期の営業利益予想は前年比0.9%増の9200億円で据え置いた。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は9335億円。