景況感、新型コロナで11年ぶり低水準=6月日銀生活アンケート

ロイター
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千葉のショッピングモール
7月7日、日銀が発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」(第82回)によると、1年前と比べ景況感が「悪くなった」と答えた人が大幅に増えた結果、「良くなった」から「悪くなった」を引いた現在の景況感DIはマイナス71.2となり、2009年9月調査以来約11年ぶりの低水準となった。写真は千葉のショッピングモールで5月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 7日 ロイター] – 日銀が7日に発表した6月の「生活意識に関するアンケート調査」(第82回)によると、1年前と比べ景況感が「悪くなった」と答えた人が大幅に増え、「良くなった」から「悪くなった」を引いた現在の景況感DIはマイナス71.2となった。2009年9月調査以来約11年ぶりの低水準。新型コロナウイルスの感染拡大で景況感が急速に悪化した。景況感の悪化は8四半期連続で、前回マイナス36.3からの悪化幅は過去最大。

ただ、先行き(1年後)の景況感DIは「良くなる」との回答が増加し「悪くなる」が減少したため、マイナス27.7に改善した。

アンケートは5月8日から6月3日にかけて全国の満20歳以上の個人4000人を対象に実施した。有効回答率は60.6%だった。

雇用環境DIは改善

景況判断の根拠としては「自分や家族の収入の状況から」との回答が37.5%で最も多かった。ただ「マスコミ報道を通じて」との回答が前回の22.4%から35.7%に大幅に増えた。

景況感の悪化と連動して金利が「高すぎる」との回答が増え、金利が「高すぎる」から「低すぎる」を引いて算出した金利水準DIがマイナス15.6と、前回のマイナス34.6からマイナス幅が急速に縮小した。

一方、1年後を見た勤務先の雇用・処遇の不安については「あまり感じない」との回答が増加。雇用環境DIはマイナス8.3からマイナス7.0に改善した。

新型コロナ感染抑止の観点から、キャッシュレス決済が普及する可能性が出ている。アンケートでは、スマートフォンによる電子マネーやバーコード・QRコード決済を「よく利用する」との回答は16.4%、インターネット・モバイルバンキングでの振り込みを「利用する」との回答は23.6%となった。

現金以外の決済手段としてはクレジットカードの利用が最多。ただ、現金以外の決済を利用する理由としては「ポイントや割引などの便益がある」が62.8%で最も多かった。

物価上昇予想は後退

日銀は2%の物価安定目標の実現には家計や企業のインフレ期待の高まりが重要と位置づけており、同アンケートは家計のインフレ期待の動向を把握する指標の1つとなっている。

1年後の物価が「上がる」と予想する回答者は66.7%となり、前回3月調査の68.4%から減少した。数値予想は平均が4.3%上昇、中央値は3.0%上昇だった。5年後も「上がる」は3月調査の79.9%から75.3%に低下。毎年の変化率予想は平均値が4.0%上昇、中央値が2.0%上昇だった。

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