日経平均は続伸、約3カ月半ぶりに2万3000円回復
[東京 8日 ロイター] – 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比212円00銭高の2万3075円73銭となり、続伸。2月21日以来、約3カ月半ぶりに2万3000円台を回復した。前週末の米国株式市場が高かったほか、外為市場でドル/円相場が円安に振れ、上昇に弾みをつけて始まった。ただ、一方では過熱感が生じており、買い一巡後は伸び悩んだ。
5日の米国株式市場は大幅に値上がりし、ダウ平均株価は829ドル高で引けた。5月の雇用者数が予想に反して大幅に増加したことを受け、景気回復が一段と早まるとの期待が広がっている。ナスダック総合指数は一時、最高値を更新した。
5月の米雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比250万9000人増と、市場予想の800万人減に反してプラスに転じた。4月は約2070万人減と、1930年代の大恐慌以降で最大の落ち込みを記録していた。失業率は13.3%と、戦後最悪だった4月の14.7%から改善。市場予想は19.8%だった。
市場では「高値警戒感から伸び悩んだものの、これだけ円安に振れると、輸出関連企業の業績回復が想像されているよりも早く回復に向かうとの期待が膨らむ。きょうのところは円安に加えて、WTI原油先物が時間外取引で1バレル=40ドルを回復したことも大きい」(岡地証券・投資情報室長の森裕恭氏)との声が聞かれる。 TOPIXは0.58%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆2966億8100万円だった。東証33業種では、鉱業、銀行業、鉄鋼などの上昇が目立ち、値下がりは精密機器、医薬品など7業種にとどまった。
個別では、トヨタ自動車など主力輸出関連株や、東京エレクトロンなどが高い。指数寄与度の大きいファーストリテイリングも上値を追ったが、中外製薬、任天堂などがさえない。 東証1部の騰落数は、値上がりが1292銘柄に対し、値下がりが795銘柄、変わらずが82銘柄だった。
日経平均は高値圏でもみあい、前週末比200円ほど高い2万3050円近辺を推移している。東証33業種では鉱業、銀行業、鉄鋼、石油・石炭製品などの28業種が値上がり。原油先物が時間外取引で40ドル台を回復したことを受け、石油関連株に買いが先行している。一方、精密機器、医薬品、陸運業などの5業種は値下がりとなっている。
市場では「石油関連株のほかにも、出遅れていた株の買い戻しが今週も入っている」(国内証券)との声が出ていた。「5月の米雇用者数が大幅に増加したことを受け、市場では安心感が広がっている。ただ、為替は現在やや円高基調で、米株先物も上げ幅を縮小している。上値追いにはならないのではないか」(同)という。
現在のドル/円は109.40円台で、S&P総合500種Eミニ先物、ダウEミニ先物は小幅高での推移となっている。
寄り付きの東京株式市場で、日経平均株価は前週末比258円25銭高の2万3121円98銭となり、続伸した。2万3000円台を付けるのは2月21日以来、約3カ月半ぶり。前週末の米国株式市場での大幅上昇を好感し、幅広い銘柄で買いが先行している。
市場関係者によると、寄り前の板状況は、ホンダ、キヤノン、ソニー、パナソニックは買い優勢、トヨタ自動車は売り買い拮抗。
指数寄与度の大きいファーストリテイリング、ファナックは買い優勢。
メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループが買い優勢となっている。